都市対抗野球の表彰選手はロッテとオリックスに多い? 過去10年を振り返る

新人賞=「若獅子賞」の獲得はNPBでは12名

 最後に紹介するのは、新人賞にあたる「若獅子賞」だ。大卒の場合は1年目まで、高卒の場合は2年目までが選考対象であるが、人数の規定はなく、同時に複数人が選出されることもある。今大会では、今川優馬外野手(JFE東日本)、峯本匠内野手(JFE東日本)、岡直人投手(日立製作所)が選出された。

 過去10年、この賞を受賞した後にNPB入りを果たしたのは12名で、そのうちの7名がパ・リーグに進んでいる。

 第81回大会では、後にオリックスに入団する安達了一内野手と、小島脩平内野手の同級生2選手が受賞。第83回と第86回大会ではともに「久慈賞」受賞経験のあるオリックス・吉田一将と、ロッテ・酒居が選出された。また、第87回ではロッテの藤岡裕大内野手と菅野剛士外野手が受賞している。

 中でも注目したいのは、オリックスで三塁手のスタメンを勝ち取った小島。ルーキーイヤーの2012年シーズンから途絶えることなく1軍出場しているものの、規定打席に乗ったシーズンは一度もない。

 8年目とベテランの域に入り始めた今季は、代打として高打率を残すほか、内外野をこなすユーティリティープレイヤーとしてもチームに欠かせない存在となっている。大会会期中もスタメンに名を連ね続け、社会人時代に所属した住友金属鹿島(日本製鉄鹿島)が惜しくも敗れてしまった7月20日の埼玉西武戦では、本塁打を放つ活躍を見せた。

 過去10大会での受賞者をまとめると、ロッテとオリックスに選手が集中していることが分かる。次に行われるJABA本戦は、京セラドームでの社会人野球日本選手権大会。2019年度のドラフトでも、本大会の表彰選手からNPBプレイヤーが誕生する可能性はある。社会人野球の舞台にも注目し、今後のチームを担うかもしれない選手たちの雄姿を見れば、プロ野球の楽しみ方もまた新たに増えるはずだ。

(「パ・リーグ インサイト」須之内海)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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