甲子園でまさか…次男の智弁和歌山と三男の星稜が対決 選抜Vの父はどこに座る?

1993年、上宮(大阪)でセンバツ優勝時の主将だった黒川洋行さん【写真:編集部】
1993年、上宮(大阪)でセンバツ優勝時の主将だった黒川洋行さん【写真:編集部】

1993年のセンバツ上宮高で全国制覇を成し遂げた時の主将、甲子園に愛された家族

 奈良・王寺でバッティングセンター「ドームスタジアム」を運営する黒川洋行さん。バッティングセンター内では野球教室も開催し、自習室という勉強部屋もあった。そして学習塾も併設。野球以外の大切なことも教え、子供たちの夢を後押ししている。

 黒川さんは1993年のセンバツ、上宮高(大阪)で全国制覇を成し遂げた時の主将で、上宮を卒業後は同志社大-ミキハウス-セガサミーと社会人野球で活躍。指導者の経験も持つなど、野球を心から愛する方だ。黒川さんを今でも慕うプロ選手も多い。

 先月、黒川さんのもとへ取材に伺った。長男・大雅君は日南学園(宮崎)で春夏連続甲子園に出場。次男・史陽君は智弁和歌山(和歌山)の主将を務め、5季連続出場を果たし、13日の2回戦で明徳義塾(高知)に勝利。三男・怜遠君はこの春、星稜(石川)に入学した1年生。息子3人が名門校の野球部員。どのような子育てをしたのかを聞いた。すでに記事や動画で紹介したが「(甲子園は)行って当たり前という風に育ててきました」「教えすぎないこと」「テレビを見ながら配球の勉強」など非常に興味深い内容だった。

 インタビューの最後の言葉が非常に印象的だった。

 取材時は地方大会真っ最中。もしも、次男の智弁和歌山と三男の星稜が甲子園で対戦となったら、どうしますか?という冗談交じりの質問に、笑っていた。

「真ん中に座りますよ」

 この時は実現するなんて、想像もしていなかっただろう。8月17日の3回戦、智弁和歌山と星稜が対戦することが決まった。プロ注目の星稜エース・奥川と智弁和歌山の強力打線。優勝候補同士の対戦に心躍らせる野球ファンも多い。

 2回戦は智弁和歌山の一塁側アルプスで応援をしていた黒川さん。これまでも自身が出場した甲子園、長男の試合と、多くの試合を聖地で見てきた。三男、星稜の怜遠君は今回、ベンチ入りはしていない。おそらく、最後の夏となる次男側、智弁和歌山アルプスに座ることになるだろうが、父にとっては今まで感じたことのない特別な思いで観戦することになりそうだ。他の家族がなかなかできない経験。どんな結果になろうとも、家族の思い出に1ページとなる好ゲームを期待したい。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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