鷹・甲斐野や虎・近本ら活躍、根尾や藤原は苦戦中 12球団ドラ1の1年目と現在地

ソフトバンク・甲斐野央【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・甲斐野央【写真:藤浦一都】

巨人の高橋も12試合の登板ながら5勝をあげてまずまず結果を残している

 2019年のプロ野球も、いよいよシーズンの佳境に入ってきた。セ・リーグは巨人が首位に立ち、優勝へのマジックナンバー「19」が点灯中。2位にDeNAがつけ、4連覇を目指す3位の広島とともに巨人を追いかける構図となっている。パ・リーグはソフトバンクが首位に立つが、2位の西武が2.5ゲーム差に接近。最下位のオリックスまで9.5ゲームしか離れていない大混戦ぶりとなっている。

 残り1か月となった2019年シーズン。2月のキャンプインから大きな注目を集めてきたのが、各球団のドラフト1位選手たち。シーズンに入り、即戦力として1軍で活躍している選手あり、育成に主眼を置かれ2軍で懸命にプロの世界に慣れようとしている選手あり、それぞれ十人十色のプロ1年目を送っている。

 ここではシーズン120試合前後を消化した段階での、今季のドラフト1位選手たちの2019年を振り返り、現在地を探ってみたい。

【パ・リーグ】
○ソフトバンク・甲斐野央投手
53試合2勝4敗8セーブ21ホールド 防3.28

○西武・松本航投手
12試合5勝3敗0セーブ0ホールド 防4.87

○楽天・辰己涼介外野手
100試合260打数57安打2本塁打20打点10盗塁 .219

○ロッテ・藤原恭大外野手
1軍:6試合19打数2安打0本塁打2打点0盗塁 .105
2軍:77試合300打数68安打4本塁打21打点15盗塁 .227

○日本ハム・吉田輝星投手
1軍:3試合1勝2敗0セーブ0ホールド 防10.80
2軍:14試合2勝5敗0セーブ0ホールド 防4.22

○オリックス・太田椋内野手
1軍:出場なし
2軍:52試合191打数48安打5本塁打17打点3盗塁 .251

 パ・リーグでは大卒ルーキーの奮闘が際立つ。ソフトバンクの甲斐野は早くも53試合に登板し、セットアッパーとして21ホールドをマーク。森唯斗の離脱中には代役で抑えも務めて8セーブを挙げている。西武の松本航は先発として5勝をマーク。辰己も主力として100試合に出場し、貴重な戦力となっている。

 一方で、やはり高卒ルーキーはしっかりファームで育成に充てられている。開幕1軍に抜擢されたロッテの藤原だったが、6試合に出場し、その後はファームで実戦経験を積んでいる。日本ハムの吉田輝はプロ初勝利こそマークしたが、1軍防御率は10.80と厳しさを痛感させられた。太田は1軍経験はなし。それでも、藤原や根尾を上回り、ファームで5本塁打を放っている。

【セ・リーグ】
○巨人・高橋優貴投手
1軍:13試合5勝4敗0セーブ0ホールド 防2.96
2軍:9試合2勝2敗0セーブ0ホールド 防2.79

○DeNA・上茶谷大河投手
21試合6勝5敗0セーブ0ホールド 防4.13

○広島・小園海斗内野手
1軍:40試合134打数31安打2本塁打13打点0盗塁 .231
2軍:53試合210打数44安打6本塁打22打点8盗塁 .210

○阪神・近本光司外野手
1軍:119試合487打数131安打9本塁打36打点25盗塁 .269

○中日・根尾昂内野手
1軍:出場なし
2軍:91試合339打数61安打2本塁打23打点8盗塁 .180

○ヤクルト・清水昇投手
1軍:10試合0勝2敗0セーブ0ホールド 防5.79
2軍:13試合4勝7敗0セーブ0ホールド 防4.54

 セ・リーグでも大卒、社会人出身のドラ1はまずまずの活躍を見せている。その筆頭は阪神の近本。ここまで120試合中119試合に出場。終盤にかけて成績が下降したものの、それでも打率.269をマークし、9本塁打25盗塁も立派な数字だ。DeNAの上茶谷は先発ローテの一角を担って、ここまで6勝とこちらも奮闘。巨人の高橋優も先発こそ12試合と少ないが5勝をマークしている。ヤクルトの清水は苦戦。10試合に登板、3試合では先発しながら、0勝となっている。

 大きな注目を浴びた高卒2人は明暗が分かれている。広島の小園は2軍で苦戦を強いられたが、田中広輔の不振によりここに来て1軍でスタメン起用されている。すでにプロ初本塁打を含む2本塁打を放ち、非凡な打撃センスを1軍で感じさせている。故障により出遅れた根尾は2軍でも苦戦が続き、ここまで打率.180。小園、藤原、吉田輝、根尾の「BIG4」で唯一、1軍出場がないままとなっている。

(Full-Count編集部)

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