主力打者の左右投手別相性、オリ吉田正は右投手相手に驚異的成績 パ6球団の数字を分析(後編)

オリックスは吉田正が対右打者で傑出した成績

○オリックス
対左投手: 958打数 242安打 18本塁打 103打点 打率.253 出塁率.309 OPS.664
対右投手:2964打数 717安打 64本塁打 324打点 打率.242 出塁率.313 OPS.672
合計:3922打数 959安打 82本塁打 427打点 打率.245 出塁率.312 OPS.670

 打率、得点、本塁打がリーグ最少と、なかなか状態が上がってこなかった今季の打線。左右別の成績に目を向けると、打率では対左の方が対右をやや上回っているが、OPSでは逆の結果が出ている。主力打者の左右別成績は以下の通り。

ロメロ外野手(右打者)
対左投手:62打数 24安打 5本塁打 18打点 打率.387 出塁率.394 OPS.1,104
対右投手:176打数 49安打 11本塁打 34打点 打率.278 出塁率.353 OPS.853

大城滉二内野手(右打者)
対左投手:80打数 13安打 1本塁打 5打点 打率.163 出塁率.212 OPS.450
対右投手:222打数 66安打 2本塁打 23打点 打率.297 出塁率.369 OPS.779

中川圭太内野手(右打者)
対左投手:83打数 26安打 0本塁打 8打点 打率.313 出塁率.337 OPS.698
対右投手:208打数 59安打 1本塁打 18打点 打率.284 出塁率.329 OPS.709

吉田正尚外野手(左打者)
対左投手:120打数 31安打 4本塁打 18打点 打率.258 出塁率.333 OPS.733
対右投手:306打数 108安打 18本塁打 52打点 打率.353 出塁率.452 OPS.1,053

福田周平内野手(左打者)
対左投手:108打数 43安打 0本塁打 13打点 打率.398 出塁率.463 OPS.954
対右投手:303打数 63安打 1本塁打 17打点 打率.208 出塁率.315 OPS.569

モヤ内野手(両打ち)
対左投手:37打数 10安打 1本塁打 9打点 打率.270 出塁率.289 OPS.640
対右投手:124打数 33安打 7本塁打 19打点 打率.266 出塁率.305 OPS.781

 ロメロ、大城、安達了一内野手といった主力の戦線離脱、T-岡田外野手の深刻な不振など多くの誤算が重なり、今季は状況に応じて様々な選手を起用しながら戦うことを余儀なくされた。現在、規定打席に到達しているのは吉田正と福田の2人だけ。300打席を超えているのも大城と中川を加えた4人のみで、首脳陣がやりくりを強いられてきたことが分かる。

 今やチームの大黒柱となった吉田正は、右投手に対して驚異的な相性の良さを示している。大城も右打者ながら右投手の成績が左を大きく上回っている。一方、ロメロは左腕に対して吉田正の対右以上に圧倒的な成績を残しており、福田も.400近い高打率を記録。また、中川も対左打率.313を残している。モヤは左投手に対しては打率、右投手には長打力という異なる特徴が出ている。

 対左よりも対右のほうが良い数字を残している選手としては、後藤駿太選手(対左打率.200、対右打率.228)、小島脩平選手(対左打率.150、対右打率.229)、小田裕也選手(対左打率.000、対右打率.239)、西浦颯大選手(対左打率.195、対右打率.211)といった面々が挙げられる。とはいえ、いずれも打率.200台前半にとどまっており、あくまで相対的に得意という範囲にとどまっている印象だ。

 逆に左投手を得意としているのは西野真弘内野手(対左打率.318、対右打率.237)、安達(対左打率.275、対右打率.258)、佐野皓大外野手(対左打率.269、対右打率.189)、若月健矢捕手(対左打率.208、対右打率.186)らだ。先述の右投手が得意な面々と比較すると高打率を残している選手が多く、チーム全体の左右別成績の差もここに起因している。

ソフトバンクの右打者は左投手に対して強い打者が多い

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