「ディー、雄星、今夜は泣くなよ」 イチロー氏、約5分間の英語スピーチ全文

「フランチャイズ・アチーブメント賞」の授賞式に登場したイチロー氏【写真:Getty Images】
「フランチャイズ・アチーブメント賞」の授賞式に登場したイチロー氏【写真:Getty Images】

本拠地セレモニーでスピーチ「とても緊張しています」

 マリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が14日(日本時間15日)、球団に貢献し、大きな功績を残した人物に贈られる「フランチャイズ・アチーブメント賞」の授賞式に出席。英語でスピーチを行った。

 現役選手に加えて、殿堂入りしている元同僚のエドガー・マルティネス氏、ケン・グリフィー・ジュニア氏らも見守る中で行われたスピーチ。イチロー氏は「とても緊張しています。ディー(ゴードン)、雄星(菊池)、今夜は泣くなよ」と冒頭にジョークを飛ばすと、約5分間に渡って英語で感謝の思いを伝えた。

 以下はスピーチ全文(日本語訳の後に英語の原文も掲載)。

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 ありがとうございます。とても緊張しています。さあ、始めましょう。ディー(ゴードン)、雄星(菊池)、今夜は泣かないように。泣いちゃだめだよ。

 これは幸せな式典です。私が東京であの夜に引退した時、素晴らしいシアトルのファンがそこにいなかったので、何かが欠けている気がしました。今夜、私は皆さんからの何年にも渡るサポートに対して感謝を気持ちを示したいと思います。

 2001年に私がシアトルに来た時、それまで、日本から来た野手は誰もいませんでした。皆さんが見たのは、27歳の、小柄で、細い、無名の選手でした。皆さんが私を受け入れない理由は多くありました。

 しかし、大きな心で私を受け入れてくれました。そして、それは、私がここを離れても、そして戻ってきたときも、決して止むことはありませんでした。2018年にここに戻ってくるチャンスを与えていただき、本当にありがたく思っています。その理由は皆さん、ファンの方々です。

 ありがとう、シアトル。

 また、ニューヨーク、マイアミをはじめ、私が選手として訪れた場所全ての、アメリカ各地のファンにも、感謝しています。

 野球は、アメリカにおいて、真の国民的娯楽です。野球をこよなく愛し、リスペクして止まない人たちの前でプレーすることは、私にとってとても幸せなことでした。私が知っている最も素晴らしい選手たちと共に、または、そのような選手たちを相手に、プレーできたことは、大きな誇りです。

 彼らにインスパイアされ、私の野球のレベルは上がりました。また、今、ここで、若く、才能豊かで、将来チャンピオンシップをもたらしてくれるであろう選手たちと共に時間が過ごせることも、大変幸せに感じています。

 言葉と文化の違い、20歳も離れている年齢差にも関わらず、私が、彼らの周りにいることがとても楽しいと思ったのは、彼らの野球に対しての情熱が、本物であると感じたからです。

「誇りに思うことは…」「マリナーズには永遠に感謝」

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