イチロー氏“19年の歩み”を注いだ英語スピーチ 番記者が感じた野球への敬意

「フランチャイズ・アチーブメント賞」の授賞式で英語でスピーチしたイチロー氏【写真:Getty Images】
「フランチャイズ・アチーブメント賞」の授賞式で英語でスピーチしたイチロー氏【写真:Getty Images】

15日に「フランチャイズ・アチーブメント賞」を受賞したイチロー氏

 米大リーグ、シアトル・マリナーズは14日(日本時間15日)、球団に貢献し、大きな功績を残した人物に贈られる「フランチャイズ・アチーブメント賞」でイチロー氏を表彰。その式典で、今年3月に現役引退を表明した同氏は、慣れ親しんだ背番号「51」のユニホームに身を包み、地元ファンへ感謝の意を伝える英語のスピーチを行った。

 3月21日の日本開催試合第2戦後に引退を表明し、東京ドームでの感動的なラストランからほぼ半年を経てイチロー氏が地元シアトルのファンに向け、淀みなく続けた約5分のスピーチはファン、自分のレベルを上げた聖地での野球、そして将来を託す若手選手に向けたものへと展開。

 日本人初の野手として重圧をはねのけてきた心模様が行間に表れた地元ファンへのメッセージからスタートする。

「2001年に私がシアトルに来た時、それまで、日本から来た野手は誰もいませんでした。皆さんが見たのは、27歳の、小柄で、細い、無名の選手でした。皆さんが、私を受け入れない理由は多くありました。しかし、大きな心で私を受け入れてくれました」

 こう読み上げると、暖かい拍手がスタンドに鳴り響いた。地元ファンに対する感謝の気持ちが凝縮された言葉だが、行間ににじみ出ていたのは懐疑の目線だった――。

「これをやっておけばよかったっということは、僕にはないので」

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