ア軍上層部が女性記者に失言連発 球団は隠蔽失敗→謝罪と大問題に発展

球団広報部は事実無根の声明→批判を受けて「捏造」を撤回

 アプスタイン記者は記事の更新前に、球団とタウブマンGM補佐への取材を申し入れたが却下されてしまう。その後、SI誌の電子版に記事が上がった21日夜になって球団広報部は声明文を出す。しかし、それには受け入れがたい「ありもしない話をでっちあげようとした」が明記されていた。

 これに対しSI側が同記者と記事に対する後ろ盾を表明し、猛抗議の姿勢を示すと、現場で事の顛末を目撃していた報道関係者が次々に呼応。SI記者の擁護の波がうねりを上げ始めた。そして、球団は翌22日、タウブマンGM補佐の「不適切な言葉を使ったことを深く反省し、恥じています」と記された謝罪コメントで「捏造」を撤回した。

 もっとも報道機関の沽券にかかわる「でっちあげ」発言は波紋を広げ、アストロズ球団の無責任な対応に、全米野球記者協会(BBWAA)も噛み付いた。同記者への正式な謝罪を求める声明を発表し、大リーグ機構も詳細把握の調査に乗り出した。

 その一方で、アストロズにはフィールドでの“サイン盗み”疑惑が付きまとっている。ヤンキースとのリーグ優勝決定シリーズ第4戦前の会見で、ヒンチ監督は今回同様、乗っけにその疑惑についての質問を投げかけられている。

 思えば、2年前のWS第7戦で、当時ドジャースの一員だったダルビッシュ(現カブス)から本塁打を放ったグリエル(元DeNA)が、意気揚々と戻ったベンチで目尻を指で押さえ両目を細くする人種差別的な仕草で物議を醸したのは記憶に新しい。ここ3年で2度目のWS進出を果たしたアストロズは、その栄えある舞台でいずれも世論の指弾を浴びることになったのである。

 球団史に不名誉な一項を残す騒動に巻き込まれたチームは、23日(同24日)に行われた第2戦に3-12で大敗。25日(同26日)から始まる敵地3連戦で巻き返しをはかる。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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