大手証券会社から日本ハムのアナリストへ 「僕は野球好きで研究好き」【パお仕事名鑑 Vol.9】
日本ハムのアナリストとして鎌ケ谷スタジアムを拠点として働く野本尭希さん
グラウンドの上で輝く選手やチームを支えているのはどんな人たちなのか。パ・リーグで働く全ての人を応援する、パシフィック・リーグオフィシャルスポンサーのパーソルグループと、パ・リーグインサイトがお届けする「パーソル パ・リーグTVお仕事名鑑」で、パ・リーグに関わるお仕事をされている方、そしてその仕事の魅力を紹介していきます。
北海道日本ハムファイターズのアナリストとして鎌ケ谷スタジアム(千葉県・鎌ケ谷市)を拠点として働く野本尭希さん。採用のきっかけは「トラックマン」導入にあたってオペレーションを担当する人材が求められたこと。ここ数年、プロ野球のトピックスとして話題に上がることも多いトラックマンだが、これを生かした仕事というのは実際どういうものなのだろうか。
「トラックマンは、ピッチャーが投げるボールの回転数や回転の向き、バッターの打球速度などが解析できるものですが、この導入によって、これまでスコアラーの方々が扱っていたデータに比べて取れるデータ量が大幅に増加しました。その膨大なデータを分析するために、PCや統計のスキルを持った人材が必要になりました」
新しい仕事。だが、野本さんは、スコアラー的な分析とアナリストに共通のスキルがあると言う。得たデータを有効に使い強化に結びつけるための「コミュニケーション力」だ。
「直球のキレがあるとか、スライダーが曲がる曲がらないっていうのは、今まで何となく見た目で評価していて明確に答えられない部分がありました。トラックマンデータを用いることでスライダーの曲がりを客観的に把握できるようになり、今まで選手やコーチの間で感覚値のみで話し合っていたものに、客観的データも加えてコミュニケーションがとれるようになりました」
感覚は大切なものだが、そこに数字を介在させてコミュニケーションをとることで理解も早く、納得もしやすい。数値で見ることによって新たな気づきも生まれる。
「例えば試合後、今日は前回よりスライダーが曲がっていた、いなかったという感覚値は選手やコーチの中にはあります。そこをアナリストとしてデータと感覚がマッチングしているのかを明確にすることができます」