プロウトお股ニキ氏が語るパ・リーグの強さと、佐々木と奥川「素材としては…」
お股氏が予想する佐々木と奥川がたどり着く「タイプ」
今年のドラフトで、佐々木と並んで注目されたのが、星稜高の奥川恭伸投手だった。1位指名で3球団が競合した奥川は、ヤクルトが交渉権を獲得。奇しくも、奥川を指名した3球団は全てセ・リーグ(ヤクルト、巨人、阪神)、佐々木を指名した4球団は全てパ・リーグ(ロッテ、日本ハム、楽天、西武)と綺麗に分かれた。
お股氏は「そこにリーグの差、違いがあるように見えますね。2人がそれぞれ投手としてMAXまで完成した時、奥川投手は前田健太投手とか菅野(智之)投手、田中(将大)投手タイプ、佐々木投手はダルビッシュ投手、大谷投手かな、と」語る。2人ともタイプは違えど、将来はメジャーを狙える逸材。奥川の指名権を得たヤクルトは、今オフから高津臣吾監督、斎藤隆投手コーチというメジャー経験者が揃ったこともまた、偶然ではないのかもしれない。セ・リーグでは巨人を応援するお股氏は、奥川を取り巻く環境を高く評価しながらも「巨人ファンとしては来てほしかった……」と苦笑いだった。
フィジカル面でのスペックの高さは並外れている佐々木と奥川の2人は、それぞれロッテとヤクルトでどこまでスケールの大きな投手に育つのだろうか。そして将来的には海を渡り、世界を代表する投手となるのか。その過程をしっかりと見届けたい。
<プロフィール>
お股ニキ(@omatacom)
レアルマドリードの大ファンで、野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してツイッターで発信し続けたところ、2万8000人以上にフォローされる人気アカウントとなる。ツイッター上でのやりとりで交流が始まったカブスのダルビッシュ有選手をはじめ、多くのプロ野球選手や専門家から支持を集める謎の「プロウト(プロの素人)」解説者。著書に『セイバーメトリクスの落とし穴 』(光文社新書)。11月28日には新刊「なぜ日本人メジャーリーガーにはパ出身者が多いのか」(宝島社新書)を発売。日本のプロ野球に厳然と存在するセパの格差について、データと独自の視点から分析、評論している。
(佐藤直子 / Naoko Sato)