パ・リーグ2連覇西武の戦力整理…9選手が退団、大石が引退、高木勇は戦力外に

西武から戦力外を受けトライアウトに参加した高木勇人【写真:津高良和】
西武から戦力外を受けトライアウトに参加した高木勇人【写真:津高良和】

全米ドラフト1巡目のスパンジェンバーグ、先発左腕ノリン、阪神戦力外の森越を獲得

 圧倒的な打力でパ・リーグを連覇した西武。しかし、クライマックスシリーズでは2年連続でソフトバンクに敗れ、日本シリーズ進出はならなかった。最高出塁率以外の打撃タイトルを独占するなど、打線の破壊力は昨季よりもさらに磨きがかかったが、投手陣はパ・リーグでワーストの防御率4.35と課題が明確になるシーズンとなった。

 ドラフトでは東芝から即戦力右腕の宮川哲投手を1位指名。2位で社会人左腕の浜屋将太投手、3位でBC武蔵の松岡洸希投手と上位で好投手を獲得。支配下で8選手、育成で1選手を指名した。

 新助っ人として前マリナーズ傘下のショーン・ノリン投手、前ブルワーズのコーリー・スパンジェンバーグ内野手と契約合意。スパンジェンバーグは2011年のドラフト1巡目(全体10位)で指名された元有望株で、2017年にはドジャースの前田健太投手から1試合2本塁打を放った長打力が期待される。

 一方でカイル・マーティン投手、デュアンテ・ヒース投手の救援助っ人2選手が自由契約。大石達也投手、高木勇人投手ら11選手が戦力外となった。また、日本を代表するヒットメーカー、秋山翔吾外野手がメジャー移籍を目指し海外FA権を行使。退団は確実の情勢になっている。

 ここでは今季で引退、戦力外となった選手の実績などを振り返ってみよう。

○カイル・マーティン投手(自由契約)

 昨季途中にレッドソックスから西武に加入。8月にデビューすると22試合に登板し、10ホールド、防御率2.08の成績を残し、リーグ優勝に貢献した。今季は41試合に登板し、昨季と同じ10ホールドをマークしたものの、四球の多さが目立ち、防御率3.67と悪化していた。

○デュアンテ・ヒース投手(自由契約)

 広島、BC富山などを経て、昨季途中に西武に加入。5月にデビューすると8月以降は抑えとして起用され、42試合に登板し、13セーブ9ホールド、防御率2.50の成績でリーグ優勝に貢献した。今季は登録と抹消を繰り返しながらも34試合に登板し、2セーブ7ホールド、防御率3.73の成績を残していた。

○大石達也投手(戦力外→ファーム育成グループスタッフ)

 2010年のドラフト会議で6球団競合の末、西武に入団。大学時代は最速154キロの速球を武器に注目を集めたが、プロ入り後は肩の故障に苦しんだ。それでも2016年には36試合に登板し、防御率1.71、2017年には20試合に登板し、防御率0.93と活躍した。通算132試合5勝6敗8セーブ12ホールド、防御率3.64。来季からはファーム育成グループスタッフを務める。

○高木勇人投手(戦力外)

 2014年ドラフト3位で巨人に入団。2015年は開幕3戦目の先発に抜擢されると、プロ初先発初勝利。プロ2戦目で初完投初完封と勢いに乗り、デビュー5連勝で9勝を挙げた。2016年途中からは先発と中継ぎの配置転換を繰り返し、2018年に野上亮磨投手の人的補償で西武入り。しかし、2年間で10試合の登板にとどまっていた。通算77試合16勝23敗1ホールド、防御率3.90。ワールドトライアウトでは初代MVPに輝いた。

○小石博孝投手(戦力外)

 2011年ドラフト2位で入団。2014年にイースタン最多となる119回を投げ、同最多の10勝を挙げると、2016年には1軍でもブレーク。50試合に登板し、0勝2敗、1セーブ2ホールド、防御率3.74の成績を残した。今季は8試合の登板にとどまり、防御率5.87だった。通算117試合2勝5敗1セーブ3ホールド、防御率4.90。

○廖任磊投手(戦力外→台湾プロ野球・味全)

 台湾出身で岡山共生高に野球留学。台湾・開南大学に進学してメジャーのパイレーツ傘下でプレーしていたが、日本の高校に3年間在籍していたことからドラフト対象となり、2016年に巨人が7位で指名した。巨人での2年間では1軍出場なく戦力外に。今季から西武に加入して1軍では3試合に登板していた。現在は台湾に帰国し、川崎宗則内野手もプレーする台湾プロ野球(CPBL)の味全に加入している。

○松本直晃投手(戦力外→琉球)

 2015年ドラフト10位で四国IL・香川から入団。2016年に1軍デビューし、2018年には24試合に救援登板した。今季は4試合の登板にとどまり戦力外に。トライアウトにも参加し、来季は沖縄初のプロ野球チーム・琉球ブルーオーシャンズへの加入が決定している。

○郭俊麟投手(戦力外)

 台湾体育運動大学時代の2013年にチャイニーズタイペイ代表に選出。侍ジャパンとの親善試合で6回5安打1失点6奪三振と好投して注目を浴びた。2015年に西武に加入し、1年目から21試合に登板(うち17試合に先発)して3勝(7敗)を挙げた。2017年WBCでもチャイニーズタイペイ代表として登板したが、その後は登板数を減らし、今季はわずか2試合の登板に終わっていた。

○星孝典捕手(戦力外→楽天2軍バッテリーコーチ)

 2004年ドラフト6位で巨人に入団。巨人では6年間で1軍出場は18試合だったが、2011年シーズン途中に西武にトレードされると控え捕手としてチームを支えた。2016年シーズン限りで現役引退し、2軍育成コーチを務めていたが、今季の5月に2軍の捕手不足に対する暫定措置で育成選手として契約。シーズン終了後に選手契約を解除して退団し、来季からは楽天の2軍バッテリーコーチを務める。

○金子一輝内野手(戦力外→アカデミーコーチ)

 2013年ドラフト4位で入団。プロ5年目の2018年に1軍デビューし、ソフトバンク戦では森唯斗投手からプロ初安打・プロ初本塁打を記録した。今季は1軍出場なしで戦力外となり、来季からはアカデミーコーチを務める。

○斉藤彰吾外野手(戦力外)

 2007年高校生ドラフト7位で入団。2010年に1軍デビューすると、代走・守備要因として起用された。2015年には自己最多の103試合に出場し、打率.260、2本塁打を放つなど活躍。今季は3試合の出場に終わっていた。通算392試合355打数79安打5本塁打24打点27盗塁、打率.223。

○南川忠亮投手(戦力外)
○中田祥多捕手(戦力外→ブルペン捕手)

(Full-Count編集部)

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