燕山田哲は38連続、村上は10代最多、虎近本154安打… 今季生まれた記録は?

ヤクルト・村上宗隆【写真:荒川祐史】
ヤクルト・村上宗隆【写真:荒川祐史】

阪神梅野は捕手として4人目のサイクル安打を達成した

 今季達成された野手の記録を見ていこう。捕手のサイクル安打、新人シーズン最多安打、38連続盗塁成功などが話題となった。

○サイクル安打 梅野隆太郎(神)69人目、74度目

 4月9日のDeNA戦(甲子園)で達成した。捕手としては門前真佐人(大洋=1950年6月27日・中日戦)、田村藤夫(日本ハム=1989年10月1日・ダイエー戦)、細川亨(西武=2004年4月4日・日ハム戦)に次ぐ史上4人目の快挙となった。

 一般的に捕手は足が遅いとされ、三塁打が少ないためにサイクル安打はめったにないとされる。しかし今季の梅野はリーグ8位タイの3三塁打を記録した。さらに梅野はリーグ8位タイの今季14盗塁。捕手の2桁盗塁は狩野恵輔(神)の10盗塁以来。梅野は久々の「俊足捕手」といえる。

○新人シーズン安打 近本光司(神)154安打 史上2位、セ・リーグ記録

 1958年の巨人・長嶋茂雄の153安打を抜く新記録。近本は3月29日のヤクルトとの開幕戦(甲子園)で2番・中堅に抜擢されて早くも1安打。今季は1試合欠場しただけの142試合に出場し159安打を記録。盗塁王も獲得した。

 NPB記録は1956年佐々木信也(高橋)の180安打。だが、この年のパ・リーグは史上最多の154試合制だった。

○10代本塁打 村上宗隆(ヤ)36本 史上1位

 2000年2月2日生まれの村上は、清原和博(西武)が1986年に放った31本塁打を抜いて史上最多となった。96打点は、1953年中西太(西鉄)の86打点を抜いて高卒2年目までの最多打点となった。

 その半面、村上は184三振を喫した。これはセ・リーグ記録。

○シーズン最多三振5傑
1ブライアント(近鉄)1993年 204 三振
2ブライアント(近鉄)1990年 198 三振
3ブライアント(近鉄)1989年 187 三振
4村上宗隆(ヤクルト)2019年 184 三振
5ブライアント(近鉄)1992年 176 三振

 この記録は元近鉄のブライアントが上位を独占していたが、村上はこれに割って入る形となった。日本選手のシーズン最多三振はヤクルトの先輩、岩村明憲が2004年に記録した173三振だった。

○連続盗塁成功 山田哲人(ヤ)38 NPB記録

 従来の記録はソフトバンク福田秀平が2011年から15年まで4シーズンにまたがって作った「32」だった。シーズンをまたがない単一シーズンでの記録は1964年広瀬叔功(南海)の「31」だったが、山田は「33」でこれも更新した。

 しかし山田は2019年9月15日のDeNA戦で盗塁失敗すると、ここから3連続盗塁死、盗塁王も阪神の近本に奪われてしまった。

○1試合5三振 神里和毅(De)、坂本勇人(巨) NPB記録

 1試合5三振はめったにない記録だ。この2人を加えてNPBでは83年の歴史で17人しか記録していない。多くの選手は4三振を記録すると、不名誉な記録を恐れて最後の打席は当てに行くことが多いからだ。同一シーズンに2人が記録したのは2005年に仁志敏久(巨人)、渡辺俊介(ロッテ)が記録して以来。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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