チーム防御率はリーグ1位、球界屈指の「勝利の方程式」… 19年ホークス投手陣を振り返る

新人王「高速サブマリン」は新時代の幕開けか

 もう1人はプロ2年目の高橋礼投手。昨季のクライマックスシリーズでの好投が注目され、大きく期待された今季は、その期待に見事に応えた。チーム2位の23試合に先発すると、自身初の2桁勝利(12勝)を記録。文句なしの成績で、最優秀新人賞を獲得した。アンダースローといえば、元ロッテ・渡辺俊介氏や、楽天・牧田和久投手のように多彩な変化球を駆使するイメージだったが、高橋礼の場合は投球の約6割が直球。130キロ後半から最速で140キロ超を計測し、打者を押し込む場面も見られた。これまでのアンダースローの概念を覆したと言ってもいいだろう。

 優秀な先発陣を、優秀な救援陣が支えた。不動の中継ぎエース・モイネロ投手は、2017年に支配下登録を勝ち取ると、同年に34登板、翌年に49登板と着実に出場機会を増やし、今季は自己最多の60試合に登板して飛躍を見せた。フル回転の一方で、防御率は1.52と抜群の安定感。僅差の試合終盤で、相手チームに大きなプレッシャーを与える存在となっていた。もともと速球が持ち味だったが、今季は直球が常時150キロを超え、最速で156キロを計測するなど一段と威力を増した。投球割合の6割ほどを直球が占めていたが、その被打率は.160と優秀だった。今季でまだ23歳。依然として伸びしろを残しているだけに、今後の成長にも期待したい。

 ルーキーの甲斐野央投手の活躍も外せない。ドラフト1位として大きな期待を背負って臨んだ今季、155キロ後半の快速球を武器にチーム最多の65試合に登板。デビュー戦以降13試合連続無失点はドラフト制導入以降では史上最長だった。まさに「新人離れ」の活躍で、ブルペン陣に欠かせない存在となったと言えよう。シーズン通算では防御率4.14だったものの、本拠地・ヤフオクドームでは32試合で防御率1.48と安定していた。これは好成績である一方で、来季への課題とも同義となる。どんな場面、球場でも安定した投球を見せることができれば、球界屈指の中継ぎ投手となることは間違いない。

 そして9回のマウンドに君臨したのが、絶対的守護神・森唯斗投手だ。54試合に登板し、35セーブ、防御率2.21を記録。2年連続の最多セーブにはわずかに3つ足りなかったものの、昨季に引き続き30セーブ超えは守護神と呼ぶに相応しい成績だろう。その投球の中心に据えられているのは何と言ってもカットボールだ。全投球割合の約半分を占めており、直球よりも高い割合で投げ込んだ。特に優勝争いが激化する9月には11試合に登板して9セーブ。自分の失点がチームの失速に直結するプレッシャーの中で、その役割を見事に果たしてみせた。

「中継ぎ王国」ソフトバンクの核となった投手たち

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