柳田ら主力離脱も周東ら活躍、育成にも好素材… 19年ソフトバンク野手陣を振り返る
故障に苦しんだ今季… 来季の完全復活を狙う3選手
周東のような新戦力の台頭がある一方で、苦しいシーズンに終わった選手も少なくはない。ここでは、今季怪我や不調に苦しんだ選手を、来季への期待を込めて3人紹介する。
まずは何と言っても柳田悠岐外野手だろう。開幕第2戦では逆転満塁弾を放つなど、今季も打線の中で絶対的な中心選手としての活躍が期待されていた。しかし、4月に左ひざ裏の肉離れを発症し、当初の見立てを大きく超える約4か月間の離脱となってしまった。この影響は大きく、今季は38試合出場止まりだった。その一方で、CSでは全7試合に出場し、打率.370、1本塁打の活躍で意地を見せ、シリーズ制覇に大きく貢献した。首位打者2回、最高出塁率4回を獲得するなど、その実力はもはや説明不要。長期離脱も来季への糧とし、より一層スケールアップした柳田に期待したい。
中村晃外野手も同じく怪我に苦しんだ。3月に右脇腹痛を発症し開幕に出遅れると、同月に自律神経失調症を発症し、開幕に間に合わず。5月に1軍復帰したものの、腰の張りで再び登録抹消。本格的な戦列復帰は8月までずれ込んでしまった。出場試合数は昨季の約3分の1である44試合にとどまった。ただ、柳田同様にこのままでは終わらなかった。CSファイナルステージでは3試合に出場し、2本の先制打を含む5安打、打率.455で勝利に貢献した。
最後は上林誠知外野手だ。24歳となった今季は開幕3連戦でいずれも安打を放ち、好スタートを切ったかに見えた。しかし、5月に薬指の剥離骨折が判明し、登録抹消となってしまう。再登録後も復調の兆しは見られず、99試合で打率.194、本塁打も昨季から半減の11本に終わった。柳田、中村晃がCSで結果を残す一方で、上林は9月20日の抹消以降、再登録とはならず、悔しいシーズンとなった。
その打撃成績の内訳を見ると、シュート、スライダーに対しては打率.280を超えており、対応力を見せていたことが分かる。一方で、直球に対しては2割を下回った。ゾーン別に見ても、内角の打率は軒並み2割台前半から1割台だった。当然、この数字は上林も認知しているだろう。昨季は143試合に出場し打率.270、22本塁打を記録しており、若き主力としての期待値も高い。来季は修正能力が問われるシーズンとなりそうだ。