沢村賞ジョンソンに大砲エルドレッド、薬物違反で出場停止者も…広島10年代外国人

広島のジョンソン、バティスタ、OBのエルドレッド氏(左から)【写真:荒川祐史】
広島のジョンソン、バティスタ、OBのエルドレッド氏(左から)【写真:荒川祐史】

全米ドラ1バリントンはNPB4年間で40勝、“ジャクソンスマイル”と愛された中継ぎ右腕も活躍

 2019年シーズンのプロ野球が幕を閉じ、2010年代は今年で一区切りとなった。ここでは10年間で活躍した広島の主な助っ人外国人選手を見ていこう。

○ブライアン・バリントン投手

 2002年のドラフト全体1位で指名された元超有望株で、2011年にロイヤルズから加入。1年目から13勝11敗、防御率2.42と好成績を残すと、4年間ローテーションを守って40勝を挙げた。2015年はオリックスでプレー。現在はブルワーズの国際スカウトを務め、「U-18ワールドカップ」などを視察している。

○キャム・ミコライオ投手

 2012年にダイヤモンドバックスから加入。1年目はセットアッパーとして開幕すると途中から守護神を務め、61試合で21セーブ15ホールドと大車輪の活躍。205センチの長身から投げ下ろす速球を武器に、2年目は57試合で27セーブ、3年目は51試合で25セーブと結果を残した。2015、16年は楽天でプレー。その後は米マイナーリーグ、独立リーグと渡り歩き、今季途中に引退した。

○ブラッド・エルドレッド内野手

 2012年途中にタイガースから加入。1年目は65試合の出場で11本塁打、2年目は死球での骨折もあり13本塁打となかなか実力を発揮できなかったが、3年目に37本塁打で本塁打王に輝いた。球団外国人選手最長となる在籍7年で昨季限りで退団。今季は無所属が続いたが9月に引退セレモニーが行われ、駐米スカウトに就任した。広島の街でママチャリを乗りこなしたことも有名だった。

○クリス・ジョンソン投手

 2015年にツインズから加入。1年目は14勝7敗、防御率1.85の圧倒的成績で最優秀防御率、2016年は15勝7敗、防御率2.13で外国人投手としては1964年のバッキー(阪神)以来52年ぶりの沢村賞に輝いた。5年間で4度の2桁勝利を含む57勝、防御率2.54と史上最高クラスの助っ人の1人。来季で在籍6年目を迎える。

○ジェイ・ジャクソン投手

 2015年にパドレスでメジャーデビューすると2016年に加入。1年目から60試合に登板して37ホールドを挙げると、2年目は30ホールド、3年目は25ホールドとリーグ3連覇に貢献した。明るいキャラで“ジャクソンスマイル”と愛された。今季はブルワーズで28試合に登板。防御率4.45ながら30回1/3で47三振を奪った。来季からのロッテ加入が決定している。

○サビエル・バティスタ外野手

 2016年にドミニカのカープアカデミーから育成契約で加入。2年目の2017年にファームで圧倒的な成績を残すと6月に支配下登録され、61試合の出場で11本塁打を放った。昨季は99試合の出場で25本塁打とさらに成績を伸ばすと、今季は8月16日までに自己最多の26本塁打。しかし、ドーピング検査で陽性反応を示して登録抹消。6か月間の出場資格停止処分が科されているが、現在はドミニカのウィンターリーグに参戦している。

○ヘロニモ・フランスア投手

 ドミニカのカープアカデミー出身で2016年にはBC高知への派遣も経験。2018年に育成選手として加入した。5月に支配下登録されると、8月にはプロ野球記録タイの月間18試合に登板して防御率0.51と驚異的な成績で、月間MVPを受賞した。今季も67試合に登板し12セーブ18ホールド、防御率2.76と大車輪の活躍だった。

 バリントン、サファテ、ミコライオ、ジョンソン、ジャクソンと好投手を次々と発掘した10年間だった。また、バティスタ、フランスアとカープアカデミー出身者の活躍も目立った。

 来季に向けては今季メジャー28試合登板のDJ・ジョンソン投手、メジャー302試合出場のホセ・ピレラ内野手との契約に合意している。

(Full-Count編集部)

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