【新春企画】ロッテ井口監督独占インタ・前編 2019年に得た手応え「若い投手がしっかり投げた」
1軍と2軍、監督とコーチが好連携、球団も手厚いサポート「プレーヤーズファーストを実践」
――監督就任以来、1軍と2軍が一貫性を持って選手育成に取り組めている。
「そうですね。今岡(真訪)2軍監督がよくやってくれています。すべて情報を共有してくれるし、2軍で徹底してほしいこともをしっかりやってくれるので、2軍監督の存在はすごく大きいですよね。
また、今年から球団本部長になった松本(尚樹)さんも協力的で、選手に甘くなるのではなくて、プレーにいい影響が出る形で、プレーヤーズファーストを実践してくれています。少し前は寮に門限はあっても形だけだったり、栄養管理が十分ではなかったり。今はそれがなくなりました。キャンプ中も栄養管理をしっかりして、プロ入り後まもない選手は寮やホテルで食事をしなければいけないシステムになっている。あと、体重や体脂肪、筋量を毎日計ったり、今年は血液濃度などから疲労度を判断して、練習量を調整することも始めてみました。来年は順天堂大学の全面サポートが加わるので心強いですね」
――医療、コンディショニング、栄養の面でプロのサポートを得られるのは大きい。
「そうですね。就任1年目は夏の暑い時にチームが失速してしまった。どうしても屋外球場なので、試合中に足が攣ってしまう選手もいたんですよ。でも、去年は室内練習場にクーラーを設置してもらい、その中で練習するなど工夫をして1年間を戦いきった。今年は1年を戦って勝ち抜く、というのがチーム目標ですね」
――サポート態勢も強化される中、監督自身とコーチとの連携も強まった。
「1年目より2年目の方が連携できてきました。僕とコーチの連携以上に、選手とコーチがしっかりコミュニケーションを取ってくれているのがうれしいですね。僕は選手に直接何かを言うことはあまりしません。選手がコーチではなく、監督しか見なくなってしまうので。だから、何か伝えたいことがある時はコーチを通して間接的に伝えるようにしているし、もし直接話すことがあっても、コーチにも『こういう話をしますね』『しました』と共有しています。
その代わり、僕は極力選手を見て『お前のこと見ているぞ』って、見られている感を出しています、ずっと(笑)。だから、練習中もそんなに話はしないし、コーチの横でずっと見ている。目でプレッシャーをかける。それが監督の仕事だと思うので。僕自身の経験から考えても、何も言わずに見ているのが選手は一番のプレッシャーだと思うんですよ」
(中編に続く)
(佐藤直子 / Naoko Sato)