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「大切なのは子供の人生」 レイズ筒香輩出の堺ビッグボーイズ監督が語る指導法

1月12日、河内長野市にある堺ビッグボーイズの専用グラウンドでは、MLBのレイズに移籍が決まった筒香嘉智外野手による交流会が行われた。このイベントには新たな指導方針で注目を集める堺ビッグボーイズに所属する小中学生が数多く参加し、大盛況だった。

堺ビッグボーイズ中学部監督・阪長友仁氏【写真:広尾晃】
堺ビッグボーイズ中学部監督・阪長友仁氏【写真:広尾晃】

“野球離れ”が叫ばれる中で堺ビッグボーイズには小学部100人、中学部90人が在籍

 1月12日、河内長野市にある堺ビッグボーイズの専用グラウンドでは、MLBのレイズに移籍が決まった筒香嘉智外野手による交流会が行われた。このイベントには新たな指導方針で注目を集める堺ビッグボーイズに所属する小中学生が数多く参加し、大盛況だった。

 その堺ビッグボーイズで今季から中学部監督に就任した阪長友仁氏に指導方針などの話を聞かせてもらった。

――たくさんの子供たちが集まっていますね。

阪長「おかげさまで堺ビッグボーイズは小学部100人、中学部90人の大所帯になりました。スーパーバイザーである筒香選手の影響も大きいと思います。一方で、近隣のチームの部員数が減少するなど、私たちの周辺でも“野球離れ”が進んでいます。私は今年度から堺ビッグボーイズを運営、サポートするNPB法人BBフューチャーの理事長にも就任しましたが、NPO法人としてはクラブの強化をするとともに、野球界全体をよくするための活動にも取り組んでいます。シンポジウムなどの活動をさらに強化していきます」

――中学部の監督として、どんな指導者を目指しますか?

「堺ビッグボーイズは『育成』を第1の目標としてきました。1番大切なのは、中学生である彼らのこれからの人生です。生きていくために役立つことを身に着けてもらうのが1番です。それは全く変わりません。しかし、弱くても良いというわけではありません。身につけてもらう要素の中には『勝負』もあるということです」

「もちろん、連投させたり、無理をさせたりして勝ちに行くという手段は使いませんが、最大限勝利を目指します。大事なことは『指導者も考えて実行する』ということですね。子供たちと話し合いながら勝利を目指していきます。まだまだ、改善の余地はいっぱいあります。ミーティングの仕方とか、練習内容とか、指導者の接し方とか、技術面も。そういうところをアップデートして、勝利も目指したいと思います」

――阪長さんは、ドミニカ共和国の野球選手の育成法を日本に紹介しましたが、この冬も行かれたとか。どんな収穫がありましたか?

「ドミニカには毎年行っていますが、行くたびに組織的な層の厚さに感心させられます。ドミニカでは、日本のように『途中のゴール』を目指すことは基本的にありません。メジャーを目指す中で、育成年代から若手の年代までが基本をしっかりと身につけています。そこに根差したアプローチができる仕組みがあるんです。日本も各年代のカテゴリーがつながっていかなければ、と思います」

「今年はフェルナンド・ロドニー投手に会いました。昨年はアスレチックスの救援投手として、東京ドームでのイチロー選手の引退試合でも投げていますが、その後ナショナルズに移籍し、ワールドチャンピオンのメンバーにもなっています。ロドニー投手はMLB最年長の42歳ですが、昨年も55試合に投げました。しかもワールドシリーズまで出場しているのに、ドミニカ共和国に帰ってきて、ウインターリーグのレオネス・デル・エスコヒードのメンバーとして投げているんです。日本の選手ならこんなことはしないと思いますが、ロドニー投手は本当に野球が心から好きで、やりたくて仕方がないんですね。義務は何もなくても、野球がしたいんですね」

「ドミニカ共和国にはプロアマ規定はありませんから、ロドニー投手みたいなスターが高校生などいろんな年代の野球少年とコミュニケーションをとることができる。自由にアドバイスをもらうこともできる。これは本当に素晴らしいことだと思います。今日は筒香嘉智選手がバッティングを披露してくれましたが、わずか1分、2分のこの機会が、子供たちにとってかけがえのない時間になったと思います」

「日本でも、一流の現役選手からアドバイスをもらうことで子どもたちの成長につながることもあるので、トップ選手と子どもたちが野球を通して触れ合える環境がもっと広がれば良いなと思います」

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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