アストロズがサイン盗みで「どんな恩恵を得たのか」 米メディアが徹底検証

ボール球の見逃し率、ストライクの強打率も向上した

 さらに、データ分析会社「STATS Perform」に分析を依頼。ライブボール時代(1920年~41年のボールがよく飛んだ時代から現在)でも1年間に365も三振を減らしたチームはなかったという。当時は162試合制ではなかったため、試合平均の三振数を算出。アストロズは16年の1試合平均の三振数が8.96から17年には6.71に減少した。1試合当たりの減少数は2.25。16年から17年のアストロズが過去100シーズンで、1年で1試合平均2個以上三振が減った唯一のチームだという。本拠地と敵地での違いを検証され、合計365三振を減らした17年は本拠地で242減、敵地で123減。データだけでは結論付けできないが、敵地でもライブビデオは見られるし、他の伝達方法もあるとしている。

 また、ボール球の見逃し率、ストライクの強打率も調べあげた。データ測定システム「スタットキャスト」で、16年のアストロズは本拠地でストライクゾーンを外れて低めに投げられた変化球の36%をスイング。しかし、17年は27%に減り、敵地でも16年の27%から17年には25%に減ったという。さらに、本拠地でストライクゾーンの変化球を強打した割合は16年が.438だったが、17年には.508に上昇。速球に対しても同様で、16年はストライクの速球を強打した割合が.503、17年は.577だった。「他球団でこんなに向上したチームはない」と指摘した。

 過去に例を見ないほど激減した三振率、一方で一気に向上した強打率。16年とサイン盗みで“クロ”と認定された17年ではアストロズの打撃に大きな違いがあったことが改めて浮き彫りになった。

(Full-Count編集部)

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