サイン盗みで成績はどう変わった? 米メディアが“恩恵”受けた選手を徹底検証

サイン盗み問題で球界各所から批判を受けているアストロズ【写真:Getty Images】
サイン盗み問題で球界各所から批判を受けているアストロズ【写真:Getty Images】

「ジ・アスレチック」によると、4選手に顕著な変化が見られたという

 米球界を騒然とさせているアストロズのサイン盗み。米スポーツメディア「ジ・アスレチック」はMLBの調査で不正が判明した2017年シーズンを検証し、前年の16年と比較して三振数が前例にないほど減ったこと、逆に強打率が向上したことを伝えている。数選手には大きな“変化”があったようだ。

 同メディアの調査によれば、アストロズは2016年に本拠地でストライクゾーンの低めに外れる変化球の36%をスイングしたが、次の4選手は2017年に同様の球へのスイング率が大きく減ったという。マーウィン・ゴンザレス外野手は40%から10%へ、カルロス・コレア内野手は27%から15%へ、ジェイク・マリスニック外野手は30%から13%へ、ジョージ・スプリンガー外野手は18%から12%に改善したという。しかもこの4選手は、アストロズのファンで2017年の58試合8274球を調べあげたトニー・アダムス氏により、ゴミ箱音が鳴る割合が高いとされた選手たちだった。

 三振率でも不自然な数字が出た選手たちがいたようだ。スプリンガーの三振率は1年目の2014年に33.0%(半シーズン)で、以降も24%前後だった。それが2017年には17.7%と大きく下がり、その年の打者ではドジャースのジャスティン・ターナー(6.9%)に次いで2位の好スコアだったといい、本拠地での三振数も2017年には初めてビジターの三振数を下回ったという。コレアも同様に、キャリアを通じて2017年だけ本拠地での三振数が減っていたようだ。

 またマリスニックのキャリア三振率は29.8%だが、2017年には良くなるどころか34.8%に増加したという。しかし球場別に見れば、本拠地では29.2%、ビジターでは39.6%と大きな差があった。エバン・ガティス捕手も2016年の三振率25.5%から大きく改善し、2017年には15.4%だったという。

 しかし、ブザーのような電子機器をユニホームの下につけていた疑惑が出ているホセ・アルトゥーベ内野手については「数字は不自然に見えなかった」という。2017年のアルトゥーベは打率.346、24本塁打、81打点とベストシーズンを送り、三振率はホームの方がビジターの9.6%を上回る15.8%だったという。

 しかし結局のところ、サイン盗みによって選手たちがどれだけの恩恵を受けて打てたのかは憶測するしかないのも事実。同メディアは「それは我々にも全く分からない」としている。

(Full-Count編集部)

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