西武松坂フィーバーと球団の迅速な対応「ファンの安全、選手が集中できる環境を」

サイン会を行った西武・松坂大輔【写真:宮脇広久】
サイン会を行った西武・松坂大輔【写真:宮脇広久】

松坂は3500人が集まったキャンプ地の施設間を車で移動した、球団関係者「決してファン排除ではない」

 日曜日の2日、西武の宮崎・南郷キャンプには初日の前日より1000人多い3500人のファン(球団発表)が押し寄せた。その大半のお目当てが、14年ぶりにチームに復帰した松坂大輔投手であることは想像に難くない。

 だが、この日から松坂だけは施設間の移動が車になった。選手の徒歩移動中は、ファンにとって間近にスターを見ることができる絶好のチャンスだけに、肩透かしを食らった格好だ。実際、松坂は前日にも一部の移動に車を使い、練習メニューが立て込んでいたこともあって、車から降りて室内練習場に駆け込む一幕があった。このとき、入り口付近を囲んでいたファンからは「今日はこんなにポカポカ陽気なんだし、少し時間をかけてサインしてくれてもいいんじゃないの?」との声が上がっていた。

 松坂には中日に在籍した昨年の沖縄・北谷キャンプ中、ファンと接触した際に右腕を引っ張られ、右肩を故障しシーズンに影を落とした苦い経験がある。松坂の車移動について、西武球団関係者は「ファンの方々の安全、そして選手が練習に集中できる環境をつくるための措置です。松坂投手はできる限りサインに応じる考えですし、決してファンを排除しようということではありません」と説明する。

 こうした経緯で行われたのが、練習終了後、椅子とテーブルを用意しての初のサイン会だった。ざっと約100メートル、300人ほどが列をつくり、とても全員に対応することはできなかったが、宿舎ホテルへのバスが出発するまでの約30分間、松坂はペンを走らせ続け、「こういう形の方が安全」とうなずいた。

 3日以降の対応は、人出などをみて判断するという。高校時代から騒がれっぱなしの松坂はもう慣れているかもしれないが、宮崎空港から車で約1時間半の、普段物静かな農村に、空前のフィーバーが訪れようとしている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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