バレンティンと深い縁 鷹・城島氏が語った外国人活躍の要因と「全力疾走」の伝統

王会長、工藤公康監督と談笑する城島会長付き特別アドバイザー(中央)【写真:福谷佑介】
王会長、工藤公康監督と談笑する城島会長付き特別アドバイザー(中央)【写真:福谷佑介】

城島氏とバレンティンは2009年途中までマリナーズでチームメートだった

 ソフトバンクに新たに加わったウラディミール・バレンティン外野手。ヤクルト時代にシーズン60本塁打を放つなど、NPB通算288本塁打をマークしてきた大砲が、今季からホークスを新天地としている。

 そのホークスに今季から会長付き特別補佐として復帰した城島健司氏だが、バレンティンとは2009年途中までマリナーズでチームメートだった。城島氏が入団した2006年当時、バレンティンは傘下2Aの選手。2007年に3Aで打率.291、24本塁打を放ち、メジャーデビューを果たしてメジャーでチームメートとなった。

 2008年もメジャーで71試合に出場したバレンティンだが、2009年途中にレッズに移籍。城島氏が2010年に阪神に移籍して日本球界へ復帰すると、翌2011年にはバレンティンがヤクルトへと加入した。

 それから11年後にホークスで、立場は違えど、再び同じチームに属することになった2人。城島氏は「その時はまだマイナーだったけど、60発も打つ感じじゃなかった」とマリナーズ時代を振り返ると、バレンティンが日本で成功した理由を分析した。

「文化も違えば、野球も違う。昔みたいに片手間で来た選手では苦労する。野球が違う。レベルが高い、低いじゃなくて。その国の野球や文化を取り入れようとする選手が成功する」と城島氏。能力や技術以上に、その国の文化や野球のスタイルを受け入れるかどうかが異国の地で活躍する条件になるという。その点、バレンティンはラーメンが大好物で、日本文化にも適応している。

 そして、球団のバックアップも外国人にとっては大事だという。「球団は家族のこと、グラウンドを離れたところのケアをしっかりしてあげること。この球団は少なくとも出来ていると思いますけどね」。グラウンドを離れたところでの不安を少なくし、よりプレーに集中できる環境を作ってあげられるかは、球団にとっての重要な役割だと語った。

 ホークスの選手として、あるべき姿も城島氏は語る。「今いる外国人選手は常に全力疾走をするとか、守備の時はこうしてというのを守ってくれる。バレンティンもそうしないと、ホークスでは試合に出られない」。

 デスパイネやグラシアルもそうだが、ソフトバンクの選手は基本的に全力疾走を怠らない。それを城島氏は「いい伝統」だという。王貞治球団会長が監督だった頃から脈々と受け継がれている伝統。「ただ、それをやっていれば、実績はあるんだから。いい伝統だと思います。常に全力で走るとか、そういうのを出来ている球団」。それはバレンティンでも例外ではなく、全力疾走などのチームの決まり事は守らなければならないと語っていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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