周囲を驚かせる広島・鈴木の充実ぶり 初シートで圧巻の1発含む3安打の大暴れ

広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】
広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】

今キャンプ初のシート打撃に志願参加…1発含む3安打の大暴れ

 もう仕上がっている……。昨年は打率.335で首位打者に輝き、11月の「プレミア12」では侍ジャパンの4番として世界一に貢献、12月には元新体操日本代表でスポーツキャスターの畠山愛理さんと結婚した広島・鈴木誠也外野手が、さらに驚くばかりの充実ぶりだ。

 宮崎・日南キャンプでは、新外国人のピレラ、34歳の松山、31歳の會澤とともに、チームの練習メニューから外れ、基本的にマイペース調整。菊池涼、長野、中崎らは沖縄・沖縄市の2軍キャンプでスタートを切ったこともあり、鈴木も脂の乗り切った25歳とはいえ、何かと負担が大きいだけに、開幕に照準を合わせてスロー調整も許される立場だ。

 それでも、真摯な姿勢は変わらない。5日には、今キャンプ初のシート打撃に志願参加。1打席目にはカーブ、2打席目にはストレートをぞれぞれ左前に運び、3打席目には高橋樹の外角球を右中間席へ放り込んだ。4打席目こそ遊ゴロに倒れたが、いきなり本塁打を含む3安打の大暴れである。鈴木は「ピッチャーと勝負するのが楽しい。早い段階で(投手の生きた球を)見た方がいいと思っていたので、よかった」と笑顔を浮かべた。

 4打席を終えた後もなお、ベンチ前に出て、投手のモーションに合わせて素振りを繰り返し、5打席目にも向かうかのような姿勢を見せたが、報道陣に「まだ守備に就いている先輩もいらっしゃったので、ベンチに座っているわけにもいかないんで、打つんじゃないかという姿勢を見せただけです」と明かして笑わせた。

 急ピッチ仕上げで、なおかつ余裕も漂わせる。今年の鈴木がシーズンで、そして東京五輪で何をやってのけるか、想像もつかない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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