ハム外国人3投手を厚澤コーチ分析 新加入バーヘイゲン「十分日本で通用する」
3投手は12日にそろって打撃投手を務めた
日本ハムには今季、外国人投手3人が在籍する。3年目を迎えるニック・マルティネス投手とブライアント・ロドリゲス投手に加え、デトロイト・タイガースから新外国人のドリュー・バーヘイゲン投手が加わった。厚澤和幸ベンチコーチ兼投手コーチに各選手の特徴と現状、シーズンへの期待を聞いた。
○ニック・マルティネス投手
一昨年は10勝を挙げながら右前腕の故障で昨季を棒に振った。
「力的には表の3枚に入ってもらわないといけない選手。ピッチャーにとって肘の故障というのは慎重になるところだけに、気持ち的に吹っ切れるかどうか。今のところブルペンでは順調。2年連続離脱は避けたいので、慎重にステップを踏んでいく。フォームを変えたりはしていない。フォームが悪くて故障した訳ではないので。コンディショニングをしっかりやっていくことになる」
○ブライアン・ロドリゲス投手
一昨年の開幕投手。昨季は先発も中継ぎもこなして34試合に登板、6勝7敗、1セーブ、8ホールド、防御率3.25の成績を残した。
「このタイプの選手は日本の野球への対応がなかなか難しいんだけど、クイックやけん制など細かい部分を高橋(憲幸元投手)コーチからいっぱい教えてもらっていたので、技術的に駆け上がっている選手。頭(先発)とリリーフどっちもできて、どちらも勝利に貢献できる。それは彼の強み。イニングも埋めてくれるし、ピッチングコーチとしては頼りになる存在。外国人枠の問題があるけれど、ピッチングコーチの立場としては是非入れたい投手。マルには表3枚に入ってもらい、ロドには裏をしっかり守ってほしい」
○ドリュー・バーヘイゲン投手
今季デトロイト・タイガースから移籍した。メジャー通算127試合(うち先発8試合)に登板して10勝10敗、防御率5.11。
「新外国人は試合で投げてみないと分からない。ただ、持ち球は十分日本で通用する。球種が豊富。日本ではストライクゾーンで打ち取れるボールがないと、(ボールの)速さや(変化の)大きさだけでは打ち取れない。彼には日本のバッターが嫌がるツーシームとスライダーがある。あと注目しているのは、向こうではほとんど投げていなかったというチェンジアップ。日本のバッターには有効だと思う」
厚沢コーチは来日したばかりのマルティネス投手に「日本の打者にはそのカーブが通用する」と助言し、実際大きな武器になった実績がある。「向こうの投手は、4つの球種を持っていても、苦手な4つ目は消して、バッターには使わない。でも、日本では使えるボールがあるし、3つの球種より4つ、4つの球種より5つ持っていた方がいい。バーヘイゲンのチェンジアップは、早くバッターの反応を見てみたい。使えれば、幅が広がる」とイメージを膨らませる。
バーヘイゲンの起用法については先発になりそうだ。「まずは先発だね。向こうではリリーフもやっていたけど。今、日本の野球を教えているところ。非常に意欲的で、異国から腹を括って来た覚悟を感じる」と期待した。
12日の練習では、3人そろって今キャンプ初めて打者を相手に打撃投手を務め、20球ずつを投げた。投球内容は以下の通り(カッコ内は相手打者)。
○マルティネス(中田)
ボール10、ストライク1、ファウル6、内野ゴロ2、安打1。最速148キロ
○ロドリゲス(ビバヌエバ、杉谷)
ボール9、ストライク3、ファウル3、内野ゴロ5
○バーヘイゲン(ビヤヌエバ、杉谷)
ボール11、ストライク6、内野ゴロ3。最速149キロ
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)