メジャーで大問題のサイン盗み、元NPB捕手が“断罪” 癖の解析とは「全然違うもの」

「悪いことをするからバラされる。やらなければいいだけの話です」

 では、もし相手チームにサインを盗まれ、打者が球種を分かっていたら、捕手は分かるのだろうか。

「キャッチャーの立場として言えば、どっちかだなと考えますね。(投手の)癖か、サインがバレているか。サインを複雑化して、打線の様子が変わればサイン盗みだという話ですし、それで変わらなければピッチャーの癖だと考えます。なので、相手も1、2イニングで気づくと思います」

 打者の立場として考えれば、球種が分かっているほどありがたいことはないという。

「(球種が分かっていれば)全然違います。スピードの感覚がありますから。タイミングはスピードで取るものなので。あとはどっちに曲がっていくか、速い変化球か、遅い変化球か、ということになります。変化球ならスライダーとチェンジアップならそんなにスピードが変わらないとか、そういったところがありますが、(直球ではなく)変化球と分かっただけでもバッターは助かると思います。

 キャンプ中の打撃練習では『球種教えますか?』とブルペンキャッチャーが言うので、最初のうちは『教えてくれる?』と頼みます。そして、キャンプの終わり頃には『教えなくていい』と言うと、全然打てなくなってしまう。やはり全然違います。バッティング練習で気持ちが入っていないというのもありますが、球種がわかっていれば対処できるものです」

 米球界では、最初にアストロズのサイン盗みを米メディアで“告発”したアスレチックスのマイク・ファイヤーズ投手に対する非難の声も少なからず上がっている。17年までアストロズでプレーした右腕が元同僚の不正を告発することが“裏切り行為”だというのだ。ただ、野口氏はこれもバッサリと斬る。

「悪いことをするからバラされる。やらなければいいだけの話です。監督とGMが処分されて、選手が処分されないのもおかしな話だと思います。今オフにアストロズを出ていった選手、野手が今どう見ているのかも気になりますね」

 謝罪会見後も他球団の選手たちは怒りが収まらない様子。MLBは、このままアストロズの選手たちを処分することなく、この騒動を決着させることはできるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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