MLB、試合中のビデオ利用全面禁止を提案 選手会は難色「1チームのせいでというのは…」

サイン盗み問題の渦中にあるアストロズ【写真:Getty Images】
サイン盗み問題の渦中にあるアストロズ【写真:Getty Images】

サイン盗み防止策としてMLBが提案、選手会は全面禁止に難色を示している

 メジャーリーグは今オフ、アストロズのサイン盗みに揺れた。MLB機構は再発防止策として、試合中の選手のビデオ利用を全面禁止する意向を選手会に伝えているという。これに対して選手会は全面禁止に難色を示しつつ、3月26日の開幕までに「合意点」を見出したいとの意向を示している。AP通信が伝えている。

 ヤンキースの選手会代表を務めるザック・ブリットン投手によると、MLBは、試合中の選手のビデオ利用を全面的に禁止したいと提案しているが、選手会は難色を示しているという。MLB選手会のトニー・クラーク専務理事は4日(日本時間5日)にヤンキースの選手会代表と会談。MLBが提示したビデオ利用の全面禁止ルールに関して話し合った。

 ブリットンは、こう指摘している。「現在のMLBの提案は、(試合中のビデオ利用の)全面的な禁止だ。全く使用させないということ。たった1チームのせいで全球団が、というのはかなり極端な話だ。何とか開幕までに、両者が納得する合意点を見いだせればと思っている。何が許され、何が禁止されているか、開幕には明確に分かっているようになっていてほしい」。

 AP通信によると、選手会の提案は、打者については試合中の打席のビデオは見ても可、投手はマウンドでのパフォーマンスを見ても可とすることだという。

 クラーク専務理事は「選手が気にしているは試合の進行状況だ。我々が提案しているのは(選手が試合の進行状況を知るために)ある種のテクノロジーを利用するということだ」と指摘。捕手のサインなどを見せないようにその部分をカットしたり、部屋に監視人を置いたりするなど、数々の方法を実行できると語っている。さらにクラーク氏は「選手会は、テクノロジーに関してルール違反した選手に処分を与えることにも前向きだ」とも述べている。

 MLBと選手会は、これまでにアストロズの選手と家族の安全確保についても話し合っているという。「これらのこと全ては我々が定期的に取り上げていることだ。通常はレギュラーシーズン中に話し合うことだが、このような状況のため今話し合いをしている」とクラーク氏は説明している。

 試合中のビデオ利用が禁止になるのか、一部を制限しつつビデオ使用は認められるのか。いずれにせよ映像を利用したアストロズのサイン盗みを契機に、今季のMLBはビデオ利用のあり方が変わるのは間違いなさそうだ。

(Full-Count編集部=AP)

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