プロ野球開幕、専門家は“時期尚早”と延期を提言 「感染をゼロに抑えられる準備を」

NPBの斉藤惇コミッショナー【写真:編集部】
NPBの斉藤惇コミッショナー【写真:編集部】

「コロナ対策連絡会議」には3人の専門家が参加、助言や提言を行った

 プロ野球の臨時12球団代表者会議が9日開かれ、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、20日に予定されていたセ・パ両リーグの公式戦開幕を延期することを決めた。これに先立って日本野球機構(NPB)は9日、第2回新型コロナウイルス対策連絡会議を東京都内で開いた。専門家チーム3人は、いずれも開幕は延期が望ましいと助言。これを受け、NPBの斉藤惇コミッショナーは「現時点で開幕延長はやむを得ないと思っている」と見解を示していた。座長の賀来満夫・東北大名誉教授をはじめ3人はいずれも、予定通り試合を開催するには準備不足であることを指摘した。3人の見解は以下の通り。

○座長の賀来満夫・東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授

「新型コロナウイルスが抑制できるか、まだ見通しが立っていない。チーム、チームスタッフ、その家族をどう守るか。現時点で感染予防が徹底できるか。観戦者をチェックする体制をしっかり準備する必要がある。細やかな対応が必要だが、危機管理の面からしっかり準備をして開幕するのが望ましいと意見を述べた」

○三鴨廣繁・愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授

「どうしたらより安全に試合を開催できるか。新型コロナウイルスは家族感染が多く報告されており、チーム、スタッフ、家族への教育・啓蒙のための時間をとってほしい。そう考えると20日開幕は厳しい。不特定多数が来場される状況を考えたとき、マスクや消毒用アルコールなどが不足する中、準備に時間が足りない」

○舘田一博・東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授

「新型コロナウイルスは日々新たな情報がもたらされている。そういう状況でスタートするのは危険が大きい。新型コロナウイルスはインフルエンザのように暖かくなれば消える感染症ではない。1か月、半年、1年のスパンで考える必要がある。感染をゼロに抑えられる対策を取れるかということです」

 ファンを集めて試合を開催するにはサーモメーター、体温計、アルコール消毒などの準備や、球場内特にトイレを常に清潔に保つための人員が必要で、これらの全ての準備が整うことが必要であると専門家チームの3人は指摘している。

 2リーグ制開幕後のプロ野球の開幕延期は、東日本大震災が発生した2011年以来2度目となる。9年前は3月11日の震災を受け、同25日に予定されたセ、パ両リーグ開幕戦が4月12日に延期となった。

 専門家チーム3人の助言を踏まえた上で、斉藤コミッショナーはファンを集めての143試合開催を念頭に、12球団と話し合う考えを示している。。今季は東京五輪開催で変則日程のため代替試合を組む余裕は少ない。2020年のプロ野球はどのような形でいつ始まるのか。ファンならずとも気を揉むところだ。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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