ドラフト直後の“採点”は当たるのか? “当たり年”は広島と西武、2013年を検証
ソフトバンクは低評価だったが、森や上林が入団している
この2球団と並び高評価だったのが、3球団競合で大瀬良を引き当てた広島。この年は“当たり年”だった。大瀬良は球界を代表する右腕となり、2位の九里も2桁勝利こそないが、2017年に9勝、2018年と2019年に8勝をマークし、先発と中継ぎ双方で起用されてきた。田中も昨季は苦しんだが、リードオフマンに成長した。
広島同様にロッテと西武も“当たり年”だった。ロッテは石川がチームの柱となり、5位の井上晴哉が4番に、6位の二木もローテの一角を担う投手となった。西武は1位で森、2位で山川穂高が入団。球界を代表する強打者2人が同期で入団しており、この年のドラフトで12球団で最も大きな成果が出ていると言えるかもしれない。
一方、総じて評価が低かったのが中日、ソフトバンク、日本ハムあたり。中日は松井を外して鈴木翔太を1位で指名。鈴木はここまで通算5勝と苦しんでいるが、2位の又吉、5位の祖父江が中継ぎとして活躍している。1位で渡邉諒を指名した日本ハムは2位の浦野博司や8位の石川亮も1軍の戦力となっているが、活躍度としてはやや厳しいか。
ソフトバンクは12球団で最も少ない4人だけの指名で、松井、杉浦と外して1位では加治屋蓮を指名した。加治屋は2018年にセットアッパーとして活躍し、72試合に登板。2位の森唯斗は入団から6年連続で50試合以上に登板し、今では守護神となっている。4位の上林も1軍の戦力となっており、ドラフト直後の低評価を覆す年となっている。
巨人は石川を外して小林誠司が1位。3位の田口も中継ぎを担う1人となったが、2位の和田恋、4位の奥村展征、5位の平良拳太郎は移籍している。ヤクルトは外れ1位で杉浦を指名したが、怪我に悩まされて活躍できずに日本ハムへトレードに。3位の秋吉はリリーフとして活躍したが、こちらも日本ハムへとトレードで移籍した。
DeNAは1位の柿田が1軍登板のないまま、2017年オフにこの年のドラ1でただ1人の戦力外に。4位の三上朋也、育成1巡目の砂田毅樹が中継ぎとして活躍している。大瀬良、柿田を外した阪神は1位で指名した岩貞祐太が2016年に10勝をマーク。4位の梅野隆太郎は正捕手になり、6位の岩崎優も2017年、2018年に60試合超に登板。上々のドラフトとなっている。
2013年のドラフト組は2020年がプロ7年目。高卒世代では25歳になる。遅咲きの選手といえど、そろそろ台頭しておきたいところ。ここから大きく花開かせる選手は出てくるだろうか。