東京五輪は1年延期 西武山川が「4番は僕ではなく絶対に誠也」と断言する理由

西武・山川穂高【写真:宮脇広久】
西武・山川穂高【写真:宮脇広久】

「五輪は本塁打より打率」「僕は7、8番でポコンとホームランを打てたら」

 東京五輪が1年後の2021年7月23日開幕に延期されることになった。西武の山川穂高内野手はメットライフドームでチーム練習が行われた3月31日、「中止じゃなくて、まずは良かった。野球選手は陸上とか他の競技と違って、五輪に向けて調整というより、まずレギュラーシーズン。今年はシーズンに100%集中して、来年もその時期に向けてしっかりやって、(日本代表に)選ばれるように頑張りたい」と語った。

 昨季まで2年連続40本塁打&120打点以上を叩き出している長打力は、日本人選手で突出しているが、“日の丸の4番”については「いやいやいや、4番は誠也(広島の鈴木)です! もし僕が選ばれたら、7番か8番くらいで、誰も打てない時にポコンとホームランを打てたらいい」と断言した。

 単なる謙遜ではない。「長丁場のリーグ戦と違い、オリンピックのような一発勝負は、率です。打率ですよ! 絶対、そう思います」との考えからだ。「オリンピックでは、ホームランはそう出ないですよ。相手は対戦したことのない投手ばかりで、なおかつ動く球。ヒットでつなぐことが大事になる。もちろん打順を決めるのは僕ではないけれど、ヒットでつないでつないで、僕みたいなタイプは8番くらいで、誰も警戒してないところでドコンとホームランを打つのが……よくないですか?」と熱弁した。

 昨季、打率.335(首位打者)、28本塁打、87打点の鈴木に対し、山川は.256、43本塁打(本塁打王)、120打点。確かに、こと確実性にかけては圧倒的に鈴木に軍配が上がる。しかも、鈴木が昨年11月の国際大会『プレミア12』で侍ジャパンの4番として優勝の原動力となり、大会MVPに輝いたのに対し、山川はシーズン後半に故障もあって不振に陥り、日本代表に選出すらされなかった。

 だが、一方で山川は今年、一念発起し「力任せでない広角打法」に改造中だ。「僕が今年、打率3割3分~4分、ホームランも40~50発打って、3冠獲るくらいの成績が出た時には、話は変わるかもしれませんね。胸を張って『俺が4番じゃ!』って思うかもしれませんが……まだやってもいないですから」と苦笑した。

 いずれにせよ、山川が東京五輪に並々ならぬ熱意とこだわりを持っていることが、ひしひしと伝わってくる大放談だった。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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