開幕再延期のNPBはどうすべきか? 試合数削減やむなし、年俸減額で選手会と協力も

NPBの斉藤惇コミッショナー【写真:荒川祐史】
NPBの斉藤惇コミッショナー【写真:荒川祐史】

日程に余裕が必要になる交流戦の中止やCSの縮小、中止も

 新型コロナウイルスの感染拡大により開幕が延期となっている日本のプロ野球。これまで4月24日の開幕を目指していたが、3日に行われた12球団代表者会議で開幕の無期限延期が決まった。新たな開幕日は設定されず、5月下旬以降となる見通しとなった。

 12球団代表者会議では、新型コロナウイルスの感染拡大が収束する見通しが立たない現状から、新たな開幕日を現時点で設定することは難しいと判断。今後の状況の推移を見極めながら、4月下旬から5月上旬に新たな開幕日を決定するとした。143試合から試合数を削減する可能性も示された。

 当初は3月20日に開幕するはずだった2020年のプロ野球。仮に5月下旬に開幕を迎えられたとしても、当初より2か月も遅れることになる。東京五輪が来年に延期となり、中断期間にも試合を組み込めるようになったとはいえ、ペナントレース143試合、交流戦やオールスター、クライマックスシリーズ、日本シリーズと全ての日程を消化することは難しくなったと言えるだろう。

 となると、可能性として示された試合数の削減が現実的な選択肢となるだろう。143試合にこだわり続けることはできない。通常のシーズンで月間で組まれるのは25試合前後。仮に6月1日に開幕した場合、9月末までの4か月間で100試合を消化できる。シーズンを10月末までとすれば、120試合ほど。開幕日が遅れるにつき、試合数を減らしていくしかないのではないか。

 前後に日程に余裕を持たなければならない交流戦の開催可否も検討すべきで、さらに言えば、クライマックスシリーズの縮小や中止もあり得る。どれだけ効率よく、合理的に試合を開催できるかを考え、さらには各スポンサー企業の理解も必要となる。日本シリーズの開催が11月末や12月になるのであれば、気候の影響を受けないドーム球場や温暖な中立地での一括開催も視野に入れる必要が出てくる。

 NPBが143試合の開催を前提としてきた大きな理由の1つが、試合数の減少が球団の経営に大きな影響を及ぼすことにある。試合時の入場料収入が収益の中心であるプロ野球球団は本拠地試合が1試合減るだけで数億円の損失に繋がる。できる限り、143試合を開催したいと考えるのは当然だ。

 ただ、それが厳しくなった以上、何らかの手立ては必要になる。MLBでは機構側と選手会が開幕延期に伴い、選手の年俸が試合数に比例したものになることに合意。活動休止中は選手の契約に応じて一定の給与を支給することも決めた。NPBでも球団の支出で大きなウエイトを占めるのは選手給与などの人件費。試合数削減となるのであれば、NPBでも選手会と選手側の協力も考えるべきではないか。

 新型コロナウイルスで未曾有の事態に見舞われているプロ野球界。NPBも、球団も、そして選手も、手を取り合い、協力し合っていかなければならない。そして、スタジアムに球音が戻ってくる日を実現させたい。

(Full-Count編集部)

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