“新型コロナ延期”でチケット返金無し ファン嘆き「お金を必要とする人がいる」

MLBではチケット代の返金が問題となっている【写真:盆子原浩二】
MLBではチケット代の返金が問題となっている【写真:盆子原浩二】

22万円のチケットを購入したファンも…米紙LAタイムズはチケット返金問題を特集した

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅に延期となっている大リーグ。シーズン開幕はまだまだ不透明だが、ファンへの対応が問題となっているようだ。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「ドジャース、エンゼルスは試合を行っていない。チケット代は返金されるべきではないか?」と問題視している。

 MLBだけでなく、アメリカでは多くのスポーツが試合を延期。通常の延期の措置と同じく、チケット代の返金はされていない。記事では2000ドル超(約22万円)のドジャース戦チケットを購入したウォーレン夫妻がMLBからもドジャースからも“返金不可”とされていることを紹介。ウォーレン夫妻は「MLBの立場も理解できる。チケット代を返金するとなると、何億ドルも失うことになる。MLBも大変だと思うけど、ファンのことは? 僕は大の野球ファンで、嫌いになれない。野球が大好きなんだ。でも、今はそのお金を本当に必要としている人たちがいるんだよ」と嘆いている。

 これまでにMLBコミッショナーのマンフレッド氏は全162試合の開催は難しいとの見解を示している。正式に中止が発表されれば、ファンへチケット代返金となるが、そう簡単にはいかないようだ。MLBの公式チケット再販サイト「スタブハブ」は通常、イベントが中止となった場合、まずチケット購入者に返金をし、それから球団などチケット販売者から回収する。それでも、新型コロナウイルスの影響でアメリカとカナダではすでに4万超のイベントが中止に。想定を超える中止の“嵐”で、スタブハブは販売者から回収しないと、購入者に返金できない状態だという。スタブハブの広報担当ケイト・ブリンクスさんは「現状、全購入者にすぐに返金することができません」と頭を抱えている。

 このコロナ禍で米国で大量の失業者が生まれている。日本のプロ野球では返金の動きがあるが、MLBは今後どのようにファンに向き合うのだろうか。問題は山積みだ。

(Full-Count編集部)

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