鷹・甲斐が感謝した「妻の存在の大きさ」 開幕延期の今だからこそ大切さに気付ける機会に

ソフトバンク・甲斐拓也【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・甲斐拓也【写真:藤浦一都】

「ずっと家にいることで、改めて妻のありがたさを感じました」

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、開幕が無期限延期となった日本のプロ野球。各球団は活動を休止したり、選手の感染拡大予防に留意しながらの自主練習を行ったり、とそれぞれが対応策を講じている。

 緊急事態宣言の対象となっている福岡を拠点にするソフトバンクは3月31日から活動を休止していたが、9日から自主練習を再開。本拠地PayPayドームとファーム本拠地「HAWKSベースボールパーク筑後」に分離、さらに午前と午後で投手と野手の練習時間を分けて、極力、接触しないようにしながら、選手たちは汗を流している。

 なかなか開幕を迎えられないプロ野球。各地で外出自粛要請が出され、多くの時間を自宅で過ごすことになった人も多いことだろう。外にもなかなか出歩けずに、ストレスも溜まるだろうし、もどかしい気持ちでいることだろう。ただ、普段、あまりない“おうち時間”だからこそ、気付けることもある。それを感じさせてくれたのが、ソフトバンクの甲斐拓也捕手の一言だった。

 3月31日から4月9日まで活動を休止していたソフトバンク。その期間中には和田毅投手やデニス・サファテ投手らが料理に挑戦し、その様子を自身のインスタグラムで公開するなどしてきた。活動休止期間中に何か普段やらないことをしたのか? オンライン会見で甲斐に聞くと、こう返ってきた。

「いや~、僕はないですね(苦笑い)料理は全くできないんで、妻に任せていました」

「ただ……」と続けた先が胸に響くものだった。

「ずっと家にいることで、改めて妻のありがたさ、存在の大きさを感じました。毎日起きてご飯を作ってくれる。そういうことのありがたさを感じましたね」

 いつも野球に没頭している自分。それを献身的なサポートで支えてくれていた家族と妻の存在は、いつも通りの生活をしている中ではなかなか気付けないことだったはず。決して喜ばしくない新型コロナウイルスの感染拡大、そして開幕の延期という事態。だが、いつもと違う状況だからこそ、気付けることもある。当たり前が当たり前じゃない今。甲斐の言葉と共に“当たり前”のように思っていたことの大切さに気付き、感謝する機会だと捉え、周りを改めて見渡してみよう。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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