賛否あるロボット審判 米メディア報じる審判員の本音「審判への不満も試合の一部」

ロボット審判導入の是非が問われている【写真:Getty Images】
ロボット審判導入の是非が問われている【写真:Getty Images】

フロリダで行われた審判キャンプの参加者が米ヤフースポーツに語る

 プロ野球の試合といえば、審判の判定が付きまとう。時には際どい判定が物議を醸すこともある。MLBではチャレンジ制度、NPBではリクエスト制度が設けられ、チーム側から判定に異議を申し立てられるようになっている。

 それでも、やはり人間が判定すること。時には誤審が起こることもある。そのため、審判にロボットを導入しようという動きが近年の野球界にはある。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕は延期となったが、本来であれば、今季マイナーリーグでこのロボット審判が導入されることになっていた。

 ただ、全てにロボットが介入することへの抵抗も少なくなく、賛否両論ある。そんな中で、米ヤフースポーツでは「ロボットのことは忘れよう。この人間たちが将来の野球で審判をしたいと望んでいる」とする記事を掲載。アマチュアの審判員たちの悲痛な叫びをレポートしている。

 12月にフロリダ州ベロビーチで審判キャンプが行われた。コールのタイミングや態勢、動作などの練習を行うこのキャンプには、MLBによって選ばれたアマチュアの審判員32人が参加。そして、その時の参加者からロボット審判への批判的な声が上がっている。

 米ヤフースポーツの記事には参加者のコメントが紹介されている。28歳のイアン・ランドさんは「ファンが審判の不満を口にするのは、試合の(欠かせない)一部なんです」とコメント。審判へのファンからの不満も含めて“野球”なのだという。また、メイコン・ハモンドさんは「(ロボット審判は)嫌いですね。人間による要素を奪うこと、またはそう考えてしまうだけでも、私にとっては煩わしいことです」と語っている。

 記事でも言及されているのは「コンピューターは正確な一方で、永遠に信頼できるものではないということだ」という点。記事では「電子化されたストライクゾーンには狂いが生じることもあり、そうなると投球に対してコールされないままとなってしまう。ホームプレートの後ろにいる名目上のリーダーが判定を下さなければならない」とし、人間が判定を下す審判の必要性を強調していた。

(Full-Count編集部)

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