史上最少勝利数で最多勝?本塁打王は? 試合数減によるタイトル獲得ラインを検証

日本ハム・有原航平(左)とDeNAのネフタリ・ソト【写真:石川加奈子、荒川祐史】
日本ハム・有原航平(左)とDeNAのネフタリ・ソト【写真:石川加奈子、荒川祐史】

本塁打王は33本前後、最多勝は12、13勝あたりがラインに?

 新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が延期となっているプロ野球。緊急事態宣言が一部地域で解除され、NPBは6月中旬から下旬での開幕を目指す方針を打ち出す。その一方で交流戦とオールスターは中止が決まり、2020年シーズンは最大でも125試合に試合数減少となり、さらに減る可能性もある。

 そんな今シーズンのプロ野球。試合数の削減によって、各タイトルの獲得ラインにも当然、変化が出そうだ。首位打者や最優秀防御率などはこれまでよりも高い数字が求められるだろうし、逆に最多勝や本塁打王、打点王といった数字の積み重ねによって決まるものは当然、例年よりラインが下がることになるだろう。

 試合数の減少によって、例えば10勝未満での最多勝や30本に届かない本塁打王などが生まれる可能性もある。そこで、ここでは、過去のそれぞれのタイトル獲得者の平均的な数から、今季のタイトル獲得ラインをシミュレーションしてみたい。

 まず、打者の主要タイトルの1つである本塁打王だ。セ・リーグはDeNAのソト、パ・リーグが西武の山川が2年連続で獲得しており、いずれも40本以上の本塁打を放っている。2015年からの5年間で本塁打王の平均値はセ・リーグ、パ・リーグ共に40.2本。これを120試合に換算すると、33.7本となる。33本前後が今季のタイトル獲得ラインになるか。

 ちなみにここ10年間で本塁打王獲得者で最も本数が少なかったのはセ・リーグは2011年、2012年のバレンティンで31本、パ・リーグは2012年の中村剛也で27本だった。これらの年は“飛ばないボール”の時代。球史ではセ・リーグは1957年の佐藤孝夫氏、青田昇氏、1960年の藤本勝巳氏の22本、パ・リーグでは1958年の中西太氏の23本が最少となる。さすがに今季はここまで少なくはならないだろうが、珍しい20本台での本塁打王誕生はあり得るかもしれない。

 打点王はここ10年間でセ・リーグが平均113打点、パ・リーグが111.3打点となっている。これを120試合に換算すると、それぞれ94.8打点、93.4打点となり、打点王のラインは100打点を切りそう。過去20年のスパンで見ても打点王が100打点を切っていたのは2011年の新井貴浩(93打点)、2012年の李大浩(91打点)の2例しかなく珍しいものだ。

 最後に最多勝を見てみよう。ここ10年でセ・リーグは平均15.4勝、パ・リーグは平均17勝となる。だが、パ・リーグは2013年の田中将大(24勝0敗)が平均値を大きく引き上げており、この年を除くと16.2勝になる。これを120試合に換算すると、セ・リーグは12.9勝、パ・リーグは13.5勝となる。12、13勝あたりが最多勝のラインになるか。

 過去、最も勝利数の少なかった最多勝はセ・リーグが2014年のメッセンジャーと山井大介の13勝、パ・リーグが1998年の西口文也、武田一浩、黒木知宏の13勝。120試合になっても、10勝未満の最多勝は可能性は低そうだが、史上最少勝利数での最多勝誕生の可能性は大いにありそうだ。

(Full-Count編集部)

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