野球の形はなぜ「ダイヤモンド」と呼ばれるのか? バッターが一塁へ走る理由は

なぜダイヤモンドは左回りなのか?(写真はソフトバンク・周東)【写真:荒川祐史】
なぜダイヤモンドは左回りなのか?(写真はソフトバンク・周東)【写真:荒川祐史】

なぜ、打者は一塁へ走るのか? 「利き足」と関係がある?

「バッターは三塁へ走ってはいかんのか?」

 野球経験がなく、途中から経営に参画したあるプロ野球の経営者がこう発言したと言われる。なぜ、野球ではダイヤモンドは時計の反対回り(左回り)なのか? この問題は、過去にも何度も議論されてきたが、結論は出ていない。ただ野球の先祖であるラウンダーズも左回りだった。

 今のところ、これは「利き足」と関係があるのではないかと考えられている。「利き足」とは、1.一歩目を踏み出す足、2.ボールを蹴るときに無意識に出る足、3.あぐらをかいたときに外に出る足、だ。調査によれば人間の80%が利き足が「右」だとされる。一歩目を踏み出す足が右である場合、一塁側に走るのが自然だ。このために野球は左回りになったのではないかと考えられている。陸上競技のトラックも左回りだ。左回りの方が記録が良くなるという説もある。

 現在使用されている野球のグラウンドのサイズは実に様々だ。両翼や中堅の目安は一応決められているが、その目安と異なる球場も珍しくない。MLBには左右非対称だったり、外野に勾配があったり、外野フェンスが入り組んでいたりする球場もある。

 しかし、そんな球場であっても、ダイヤモンドのサイズだけは変わらない。また、毎試合、距離を測り、ベースを正確な位置に置いている。野球にとって「ダイヤモンド」は、それだけ大切なものなのだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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