盗聴行為で処分の審判が弁護士擁しMLBを提訴 人種差別を主張し泥沼の争いに発展

レッドソックスのコーラ監督が説明を求め、試合が14分間中断した【写真:Getty Images】
レッドソックスのコーラ監督が説明を求め、試合が14分間中断した【写真:Getty Images】

昨年7月のレイズ対レッドソックス戦は、投手交代の確認のため14分間も中断した

 昨年7月にMLBで起こった、投手交代確認のため試合が14分間も中断するという“珍事”が思わぬ事態に発展している。その後の調査で当該試合の審判が“盗み聞き行為”をしていたと米メディア「ジ・アスレチック」が報じた。

 ことの発端は2019年7月24日(日本時間25日)に行われたレイズ対レッドソックス戦の8回。1点リードのレイズは先発に代わり左腕コラレックを投入する。打者を打ち取ると今度は右腕ローが登板し、コラレックは一塁の守備に。その後左打者との対戦で再びコレラックがマウンドに上がり、一塁守備にはネイト・ロウがついたが、ここで混乱したレッドソックスのコーラ監督が説明を求め、試合は長時間中断となった。

 MLBはこの試合で主審を務めたアンヘル・エルナンデス審判が、原因究明のための電話調査で盗み聞きをしていたと主張。一方、キューバ出身のエルナンデス審判は2017年に人種差別により自身をワールドシリーズの審判に任命されなかったとしてMLBを訴えており、泥沼の争いに発展している。

 今回MLBが提出した文書によると、7月24日の試合後に行われた審判への聞き取り調査で、エルナンデス氏は自身の聞き取りが終了した後も電話を切らず、意図的にエド・ヒコックス審判へのインタビューを聞いていたという。「機密の会話を盗み聞きしたと結論を下しました。これは悪質な行為です」として当時チーフ・ベースボール・オフィサーを務めていたジョー・トーリ氏は、エルナンデス審判のクルーチーフのステータスを剥奪。これに対しエルナンデス氏の弁護にあたるケビン・マーフィー弁護士は「アンヘル・エルナンデスは盗み聞きをしておらず、その電話に招待されました」とMLBを非難している。

 MLBはエルナンデス氏について、2012年にホーマー・ベイリーがノーヒットノーランを達成した際に自身と審判たちのためにボール11個にサインすることを頼んだり、他にもルール違反があったと指摘している。

(Full-Count編集部)

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