過密日程の鍵握る? 宮西、森ら過去3年連続で50試合以上登板したパの“鉄腕”たち
今季は試合数削減と短縮日程に伴い、同一カード6連戦が続くことに
野球界の「鉄腕」と聞いて誰を連想するだろうか。最も多くの人が頭に思い浮かべるのは「神様、仏様、稲尾様」の異名を持った西鉄ライオンズ・稲尾和久氏かもしれない。稲尾氏は1956年の入団1年目から61試合に登板し、14年間の現役生活で合計756試合マウンドに上がった。それは入団から引退まで毎年54試合登板のペースで投げ続けたことになり、先発投手だったというのだからその「鉄腕」ぶりは計り知れない。
先発投手が50試合登板する起用法は、投手の負担を考えて避けられるが、分業制が確立された現代野球では、1シーズン50試合以上に登板する中継ぎの「鉄腕」は存在。彼らは1シーズンで3試合に1回以上はマウンドに立っていることになり、それは首脳陣からのこれ以上ない信頼の証だ。
今季は試合数削減と短縮日程に伴い、同一カード6連戦が続くことになった。いわゆる「過密日程」を戦い抜くことは選手たちに大きな負担がかかるだけに、例年以上に中継ぎの「鉄腕」たちがチームのカギを握ることになる。
イレギュラーな日程である今季は投手陣の負担をより考え、先発完投型よりも盤石な勝利の方程式を築くことが求められるだろう。2番手以降の投手がより重要になるだけに、安定した投球を披露し続けられる中継ぎ投手がブルペンにいることは非常に頼もしい。そこで今回は、直近3年間のパ・リーグで「3年連続50試合登板」を達成している投手を紹介する。
1シーズンで50試合以上投げるのは怪我なく、そして大不調に陥らずシーズンを戦い抜いた証であり、それを3年も続けることは並大抵の努力で達成できることではない。どの投手もチームに欠かせない投手であることは、誰もが納得するところ。
信頼は数字にも現れている。上記6投手の防御率を見ると、一時期不調に悩まされたオリックス・増井の防御率4.83(2019年)を除き、どの投手も全てのシーズンで防御率は3点台以下。登板イニング数が少ない中継ぎ投手は、一度の大量失点で防御率が大きく変動するため、常にハイクオリティの投球を見せている証だ。「先発転向」を明言している楽天・松井を除いた上記5投手が、今季もリリーフ陣の中心となり、ブルペンを支えていくことになるだろう。