救援陣大炎上のDeNA ラミレス監督の起用に見る外国人枠の難しさと台所事情

DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】
DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】

新助っ人ピープルズが6回1失点も8回に救援陣が炎上、逆転負けを喫した

■広島 10-5 DeNA(20日・横浜)

 DeNAは19日、横浜スタジアムで行われた広島戦に5-10で敗れ、開幕2連敗。来日初先発となったピープルズが6回1失点と好投。打線も広島先発の床田からソトの今季1号2ランなどで5回までに3点を奪ったが、終盤にリリーフ陣が失点を重ね2試合連続の逆転負けを喫した。

 ラミレス監督は「日本に来てまだ100球以上投げたことがなかったが、今日は100球投げて7奪三振。チェンジアップにカットボール、ツーシームなど、いろいろな球種を織り交ぜて、ストレートも常時150キロ近いスピードが出ていたし、非常によかったと思う」と日本初登板となった新助っ人を評価。打線は前日に続いてオースティンがスタメンを外れたが、4回に伊藤光のタイムリーで先制し、5回にはソトが特大の今季1号2ランを放って3点のリードを奪った。

 しかし、6回に鈴木誠にソロを浴びピープルズが降板すると、後を継いだ石田が7回に失点を許し1点差に。さらに8回には三嶋が代打の長野に逆転タイムリーを打たれ、4番手の平田が鈴木誠にこの日2本目となるグランドスラムを打たれて試合の大勢が決した。

 ピープルズが先発したこともあり、この日は外国人の出場人数の関係でパットンがベンチから外れていた。指揮官は「パットンをあがりにすることは、早い時期から決めていたこと。オースティンは代打の重要な場面で起用しようと思っていたので、迷いはなかった」と説明したが、外国人枠の難しさを象徴する試合に。1失点ながら内容がよかった石田を続投させなかったことについては「最近まで先発の調整をしていた選手だし、シーズン初登板でいきなり2イニングは厳しい。それに今は左のリリーフが1人しかいない。明日も使いたかったので1イニングで交代させた」と苦しい台所事情も垣間見せた。

 変則的なシーズンの開幕となったが、ラミレス監督は「特に開幕が延期した影響はない」と、リリーフ陣の調整不足を否定。「広島はここ数年、終盤に粘り強い攻撃を見せている。『逆転の広島』が出た2試合だったのかな。明日からはしっかり投げてもらいたい」と悲観的にはならず、プロ初登板で1失点だったルーキー伊勢についても「ピンチを作った場面もあったが、スピードもあったし、もう少し自分のいいところを信じて投げてもらいたい」と新戦力台頭を期待した。

 超攻撃的打線の象徴的存在だったオースティンのスタメン起用については「日々、状態を見ながらというのが現状だが、いけるということになれば、明日からでも使っていくつもり」と話した指揮官。120試合という例年よりも短いシーズンで、開幕3連敗は許されない。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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