なぜ球団名に“ソックス”がつくのか? 野球と靴下にまつわる伝統と歴史

1869年誕生の「シンシナティ・レッドストッキングス」が「赤い靴下」を履きチーム名とした

 この「ニューヨーク・ニッカーボッカーズ」から、野球のユニフォームは半袖シャツに半ズボン、靴下を履くスタイルがスタンダードになった。1869年、初めてのプロ野球チームと言われる「シンシナティ・レッドストッキングス」が誕生する。ストッキングとは「長靴下」のこと。その名の通り、選手たちは「赤い靴下」を着用した。当時の野球のユニホームは、白を基調としたものが多く、識別が難しかった。球団関係者が他チームとの差別化を図るために「赤い靴下」にしたという。

 1871年に「シンシナティ・レッドストッキングス」はボストンに移転し「ボストン・レッドストッキングス」となる。このチームはのちにミルウォーキー、さらにアトランタに移転し、現在の「アトランタ・ブレーブス」となる。

 これに代わってボストンには、新たに1908年「ボストン・レッドソックス」が誕生する。「ソックス」は本来、「ストッキングスよりも短い靴下」のことだが、厳密な使い分けはなく「靴下」という意味で、ボストンにかつてあったチーム名を継承した。1901年にはシカゴに「シカゴ・ホワイトソックス」が誕生した。

 こうして野球は「靴下を履いてするスポーツ」というイメージが定着し、他球団と差別化するために「レッドソックス」や「ホワイトソックス」のように靴下の色をチーム名にした。1919年のワールドシリーズで、シカゴ・ホワイトソックスの選手が関与した「八百長行為」は1920年に入って大問題に。「野球の潔白」を八百長で黒く汚したというニュアンスが込められている。メディアは「ブラックソックス・スキャンダル」と書き立てた。

ストッキングを見せる「クラシックスタイル」を再流行させたのはイチロー氏

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