今季の“飛ぶボール”説は本当か? 昨季の本塁打データで比較検証
神宮や横浜など本塁打の出やすい球場で多く開催されている点も影響?
球団別に見ていると、増えている球団、減っている球団とまちまちだ。明らかに増えているのは広島と日本ハム、そしてオリックス。広島は昨季の開幕9試合で11本、同時期の9試合で7本塁打だったが、今季は15本塁打。日本ハムは絶好調の中田の働きもあり、昨季は開幕9試合5本塁打、同時期7本塁打だったが、10本塁打になっている。同様にオリックスも2本、4本から6本に増えている。
DeNAや西武、巨人には大きな増減はなく、ソフトバンクやロッテ、中日などは開幕時の9試合ベースでは昨季よりも本塁打は少なくなっている。実際のところは極端に本塁打が増えているということはないようだ。
また、変則的な日程により、試合が行われている球場が偏っていることも本塁打数が増えた印象が生まれている要員かもしれない。今季は開幕から神宮球場、横浜スタジアム、メットライフドームで9試合が行われ、東京ドーム、楽天生命パーク、ZOZOマリンスタジアムで6試合が行われている。
このうち東京ドーム、神宮球場、横浜スタジアム、メットライフドームはパークファクターを見ても、ホームランの出やすい球場とされる。一方で、本塁打の出にくいとされるナゴヤドーム、京セラドームはまだ3試合、札幌ドームや甲子園では1試合も行われていない。
こうした現時点での球場の偏りも考えると、本塁打がそれほど増えたとは言えないのではないだろうか。確かにちょっと異質な飛び方をしたり、飛距離に長けた本塁打も多いが、それは打った選手の力、成長であるとも取ることができるのではないだろうか。
(Full-Count編集部)