楽天が50%以上の伸び、ソフトバンクは2000万増…過去10年の12球団年俸推移を分析

楽天・浅村栄斗(左)と鈴木大地【写真:荒川祐史】
楽天・浅村栄斗(左)と鈴木大地【写真:荒川祐史】

楽天はわずか4年間で2820万円から5100万円まで急伸

 日本プロ野球選手会は29日、2020年シーズンの年俸調査結果を発表した。日本人選手727人が対象で、外国人選手らは含まれない。日本人の支配下全選手の平均年俸は4189万円で前年比4.5%増。ソフトバンクが平均7131万円で12球団トップ、巨人が6107万円で2位、現在パ・リーグの首位を走るロッテは3035万円で12球団で最下位となった。

 この年俸調査結果では12球団の支配下選手の平均年俸の変化、ポジション別の内訳が分かるようになっている。今季はプロ野球の歴史で初めて全選手の平均年俸が4000万円を超えた。だが、ここ10年で言えば、平均年俸に関しては大きな変化はない。10年前の2010年でも3830万円だった。

 では、各球団の成績と年俸はこの10年間、どのように変化をしていっているのだろうか。

【パ・リーグ】
○西武
2010年:3524万円→2020年:3972万円(448万円、12.7%増)リーグ優勝2回、Aクラス7回

○ソフトバンク
2010年:5119万円→2020年:7131万円(2012万円、39.3%増)リーグ優勝5回、日本一6回、Aクラス9回

○日本ハム
2010年:3809万円→2020年:3798万円(11万円、0.28%減)リーグ優勝2回、日本一1回、Aクラス6回

○ロッテ
2010年:3574万円→2020年:3035万円(539万円、15.1%減)リーグ優勝なし、日本一1回、Aクラス4回

○オリックス
2010年:2621万円→2020年:3038万円(417万円、15.9%増)リーグ優勝なし、Aクラス1回

○楽天
2010年:3361万円→2020年:5100万円(1739万円、51.7%増)リーグ優勝1回、日本一1回、Aクラス3回

 4球団が減少しているセ・リーグとは対照的にパ・リーグでは4球団が上昇している。7131万円で平均年棒12球団1位だったソフトバンクは、10年間で日本一が6回、Aクラス9回を誇る。リーグ優勝も5回しており、常勝軍団として各選手の年俸が高騰していくのは当然と言える。各年での増減こそあれど、この10年間で平均2012万円、39.3%も年俸総額が増加している。もちろん球団自体の資金力もあるが、それだけ結果を残していることへの対価と言える。

 このソフトバンク以上の伸び率を示しているのが楽天だ。2010年から1739万円上昇して今季は5100万円に。2016年には一度、2820万円まで減っており、そこからの4年間で急上昇している。浅村栄斗や鈴木大地らといったFAでの積極補強などがその結果に現れている。2年連続でリーグ優勝している西武だが、12%の上昇、ここ2年でも平均で500万円ほどしか増えていない。浅村や炭谷銀仁朗、秋山翔吾らの流出が総年俸の高騰を抑制している。

 ここ10年で1度しかAクラスに入っていないオリックスだが、総年俸は15.9%ほど上昇している。観客動員が増加していること、若い選手たちが主力になり、徐々に年俸が上がっている状況が上昇の要因と見られる。日本ハムとロッテは10年前に比べて微減。日本ハムは選手の移籍に積極的で、選手平均年俸をこの10年間、3000万円台で保っている(2018年は2381万円)。ロッテは2009年の4325万円をピークに減少し、今季は12球団で最低の3005万円。ロッテはこの10年間、リーグ優勝がなく、選手の年俸が上がりづらかった部分もありそうだ。

(Full-Count編集部)

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