楽天・浅村が開幕16戦8発と量産 元メジャー右腕が分析するフルスイングの心理的効果
「豪快にバットを振られると、間違ったところに投げたらホームランになるなという意識が働く」
「バットが振れているかどうかは、マウンド上でピッチャーも感じています。ボールを投げてキャッチャーミットに届くまでの情報として、打者のバットの軌道も記憶の中に残ります。その情報を元に、インハイはバットが出にくいかな、とか、アウトローが苦手だな、とか、攻め方を考える。ただ、豪快にバットを振られると、間違ったところに投げたらホームランになるなという意識が働くんですね。そうすると、間違ったところに投げてしまうという(笑)」
ただ、今年の楽天打線は浅村だけを注意すればいいわけではない。ロッテから移籍してきた鈴木大、オリックスから移籍してきたロメロ、島内らが打率3割をキープ。チーム打率も3割を推移するハイレベルを誇る。
投げては、先発陣ではエース則本、故障から復帰した岸、ロッテから移籍してきた涌井のほか、長身左腕の弓削が好投。救援陣は、クローザー森原に加え、牧田、ブセニッツら層が厚く、この日の試合前まで防御率1.07という驚異の数字を叩き出している。
現在、リーグ首位を走る楽天だが、このまま好調が続くのだろうか。藪氏は「まだ判断するには早いですね」としながらも「面白い存在になりそう」と期待を寄せる。
コロナ禍によりイレギュラーなシーズンを送るNPBだが、特にパ・リーグは移動回数を減らすため同じチームと6連戦を行うスケジュールになっている。一筋縄ではいかない様子の2020年。楽天の今後に注目だ。
(佐藤直子 / Naoko Sato)