趣味は「富士山グッズ収集」 西武で“ポスト秋山”として浮上する鈴木将平という男

プロ入り後初のお立ち台に上がった西武・鈴木将平【写真:宮脇広久】
プロ入り後初のお立ち台に上がった西武・鈴木将平【写真:宮脇広久】

9試合連続で「1番・中堅」で出場し、打率.321をマーク

 西武に“ポスト秋山”が見つかったか。4年目の22歳・鈴木将平外野手が、21日のロッテ戦までに9試合連続で「1番・中堅」でスタメン出場し打率.321(53打数17安打)と活躍している。昨季1軍デビューしたばかりの若手の成長が止まらない。

 21日には、本拠地メットライフドームに今季初めて観客を入れて行ったロッテ戦で、プロ入り後初のお立ち台に上がった鈴木。「自分の持ち味は、初球からどんどんいくこと」と語った通り、同点で迎えた5回1死二、三塁では、初球の高めに浮いたフォークを見逃さず、勝ち越しの右犠飛。6回にも2死満塁でカウント0-1から2球目の真ん中低めのフォークをとらえ、右前へ2点適時打を放った。

 今季初めて本拠地のスタンドに足を運べたファンに向けて「秋山さんの後釜だとか、そんなにすぐにうまくいくとは思っていないのですが、自分の持ち味、自分の長所を出して、自分らしくやっていくので、鈴木将平を応援してください」と呼びかけた。米大リーグ・レッズに移籍した秋山翔吾外野手らと今年1月に静岡県下田市で合同自主トレを行っているだけに「そんなにうまくいかない」と言いながら、人一倍秋山を意識しているのは間違いない。

 西武の「1番・中堅」は、その秋山が昨季まで担ってきたポジション。最初に後釜として白羽の矢が立ったのは、昨季41盗塁で3年ぶり2度目のタイトルを獲得するなど実績十分の金子だった。ところが、オープン戦、練習試合で打撃不振。公式戦の開幕1番は新外国人スパンジェンバーグに譲り、金子は9番に回った。今月5日には首痛を訴え、出場選手登録を抹消されている。

 スパンジェンバーグも打撃が下降線をたどり、10日にZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ戦以降は鈴木が1番に定着。翌11日の同カードでは、種市からプロ初本塁打も放った。

 21日のロッテ戦の守備では、左中間の飛球を左翼手・スパンジェンバーグと“お見合い”して落とし二塁打にして、辻監督から「ボーンヘッド」と厳しく評された。打球に近いスパンジェンバーグが先に捕球態勢に入ったように見え、鈴木には気の毒にも思えたが、辻監督は「外野手というものは、(他の野手から)声が聞こえない限りは捕りにいかなければならない。声が聞こえたら引けばいい。2度とやってもらいたくない。反省してもらわないと」と手綱を緩めなかった。

 2016年ドラフト4位で静岡高から入団。静岡県富士市出身で趣味は「富士山グッズ収集」。若手成長株と呼ばれている時間は、あっという間に過ぎ去るといわれるだけに「人生を変えたい」と言って臨んだ今季、一気にレギュラー定着への階段を駆け上がってほしいものだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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