2005年ロッテ日本一にあったチームの絆 絶対的守護神が明かす秘話

日米通算234セーブを挙げた小林雅英氏【写真:編集部】
日米通算234セーブを挙げた小林雅英氏【写真:編集部】

小林氏が阪神・藤浪をもしもコーチングするとしたら…?

 2005年の成功経験は、小林氏が現役引退後にオリックスで3年間、ロッテで4年間投手コーチを歴任し、昨年から日本女子プロ野球リーグのコーチを務めている上で、教訓となっている。最初に「『小林さん』とか『小林コーチ』と呼ばないでくれ。『マサさん』と呼んで。俺も、失礼かもしれないけど、君たちを下の名前かあだ名で覚える」と語りかけたという。

 そんな“コーチ目線”で見た場合、いま球界で気になる選手の1人が、阪神の藤浪晋太郎投手だという。ルーキーイヤーから3年連続2桁勝利をマークしながら、以後伸び悩み低迷が続いている。

「コーチという形ではなくても、1度携わってみたいですね。彼がどんな人間で、どんな野球観を持っていて、あれだけのパフォーマンスができていたのに、どうして変わってしまったのか」と興味を示した。

 もちろん、仮に藤浪との対面が実現したとしても、コーチングの手順は変わらない。「まずは『マサさん』と呼んでもらえる人間関係をつくる。僕も藤浪君を、下の名前かあだ名で呼ぶ。そういう関係で付き合えるようになってから、いろいろ聞いてみたい」と言う。

 昭和さながらの頭ごなしの指導は、間違いなく若い世代には通じなくなってきている。ボビーマジックを経験した小林氏の選手との向き合い方は、有効なヒントになるのではないだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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