2度のスクイズに見る帝京の本気度 勝ち進むにつれ調整した打撃面でのアプローチ
昨夏準々決勝で敗れた因縁の相手にリベンジを果たした
高校野球東東京大会は4日、大田スタジアムで準々決勝が行われ、帝京が9-0の7回コールドで日大豊山を下し、ベスト4進出を決めた。帝京は2回に2点を先制すると、3回、5回にも打線がつながりそれぞれ2点を追加した。大量リードの6回には1死三塁からスクイズで追加点を奪うと、その後1死一、三塁で再びスクイズ。これは失敗に終わるも、直後に6番の武藤闘夢内野手がダメ押しの2点適時二塁打を放ち、昨夏準々決勝で敗れた因縁の相手に雪辱を果たした。
6回のスクイズについて、前田監督は「今までの(大会)前半戦の戦いぶりを見て、ちょっと締めようかなと。バッティングに関しても大振りが目立った。あのスクイズで1点の重さをわかってくれればと思った」と意図を説明する。最も、必ずしも大振りが悪かったわけではない。今年は自粛期間もあり、実戦練習の機会が激減。打撃面での調整が間に合わないまま開幕を迎えた。「自由に振らせる時間ももちろん大事。練習が再開した6月からは思い通りに振らせてきた。試合が進むにつれて、徐々にコンパクトになるよう締めていこうと。間に合うかなという気持ちもあった」と大会が進むにつれて打撃へのアプローチを微調整してきた。
そんな指揮官の狙いに、「大振りの意識がみんなでかくて……。エンドランが決まってなかったり、細かい部分が徹底できていなかった。あの(スクイズの)サインで、接った試合でもしっかり決めないとなと」と加田拓哉主将。伝統の強打に緻密な野球が追いつき、目指す頂点も射程距離だ。
(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)