ブーマー、門田、ローズ、山崎ら… 30代後半で活躍した“ベテラン打点王”は?

40代を迎えてからも好成績を残した先人たちも存在

 以上のように、30代後半を迎えてから打点王のタイトルを獲得した選手は、過去にも少なからず存在したことがわかる。さらに、そのうち門田氏、山崎氏、ローズ氏の3名は、タイトル獲得の翌年に40代となっていたにもかかわらず一定以上の成績を残しており、年齢を感じさせない打撃を披露していた。

 さらに、今回の記事には含まれなかったが、2006年に35歳で打点王を獲得していたアレックス・カブレラ氏も、大ベテランの域に達した翌年以降も優れた打撃成績を残し続けていた。先述の山崎氏とローズ氏も合わせ、2000年代以降に生まれた高齢の打点王は、いずれもその後活躍を続けていたことがわかる。

 理由としては、スポーツ医学の発達や選手起用の変化に伴い、全体的に選手寿命が伸びやすくなっている傾向が挙げられる。それに加えて、脚力や守備力が衰えても打撃面で実力を保っていればレギュラーとして試合に出場しやすい指名打者制度が導入されていることも手伝い、ベテランとなってからも活躍しやすい環境が生まれていると言えるか。

 実際、中村自身も35歳を迎えた2018年のシーズン途中から大きく成績を向上させており、30代後半を迎えてから打撃の幅を広げている印象すらある。今後もこの流れを継続させることができれば、先達のように40代を迎えてからも好成績を残している可能性は十二分にあるだろう。

 中村は今シーズン途中で37歳を迎えるが、その働きはチームにとっても決して欠かすことのできないものだ。今後は現役選手の中では通算トップの数字を記録している本塁打と打点をはじめとした各種スタッツの更新はもちろん、自身初の打率.300超えや、自身11度目となる打撃タイトルの獲得にも、大いに期待していきたいところだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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