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「ボール先行でも逃げない」巨人20歳右腕戸郷の凄みと引き出した炭谷の配球

巨人20歳右腕、戸郷翔征投手が14日の中日戦(東京ドーム)で先発し、6回途中無失点の好投で5勝目を挙げた。150キロの直球とスライダー、フォークを武器に圧巻のピッチング。5回のピンチも捕手・炭谷との共同作業で無失点に切り抜けた。長年、巨人でチーフスコアラーを務めた三井康浩氏は「ボール先攻でも逃げない」戸郷の投球と、炭谷の裏を突いたリードを称賛。そして原監督が戸郷を代えたタイミングが「勝負のポイントだった」と分析した。

巨人・戸郷翔征【写真:荒川祐史】
巨人・戸郷翔征【写真:荒川祐史】

無失点投球続けるも6回にピンチ、原監督の勝利の“嗅覚”で交代

■巨人 6-1 中日(14日・東京ドーム)

 巨人20歳右腕、戸郷翔征投手が14日の中日戦(東京ドーム)で先発し、6回途中無失点の好投で5勝目を挙げた。150キロの直球とスライダー、フォークを武器に圧巻のピッチング。5回のピンチも捕手・炭谷との共同作業で無失点に切り抜けた。長年、巨人でチーフスコアラーを務めた三井康浩氏は「ボール先攻でも逃げない」戸郷の投球と、炭谷の裏を突いたリードを称賛。そして原監督が戸郷を代えたタイミングが「勝負のポイントだった」と分析した。

 試合は巨人が効果的に点を積み上げて、中日をリード。6回裏の時点で6-0と点差はあった。8回に1点を失ったが、投手陣が踏ん張り、試合を優位に運ぶことができた。三井氏は「戸郷投手がよかったですね。荒れ球、逆球が多かったですが、それが厳しいところを突く形となったのも良かった。ピンチでも淡々と投げ込む姿はすごいなと思いました」と若き右腕を評価する。

 圧巻だったのは5回に招いた無死一、二塁のピンチ。井領を空振り三振、木下拓を左直に。2死をとり、続く代打はアルモンテ。3ボール2ストライクからフォークを投げて、空振り三振に仕留めた。

「見事に腕を振って投げていました。このへんも物怖じしないと感じましたね。まだあんまり打たれる怖さを知らないという見方もありますが、20歳でしょう、素晴らしいと思います」

 1978年に巨人に入団後、球史に残る投手たちを見てきた三井氏だったが、この戸郷には「本当に20歳!?」と驚かされる。

「組み立ても良かったですね。戸郷投手のこの日は直球もフォークもよかった。スライダーも自信を持って投げていました。でも、捕手の炭谷君は今日は一番いいと感じていたであろう真っすぐを適当に散らして、要所はスライダーでうまく空振りを取っていました。ボール先行でも逃げず、しっかりとストライクを取れる球を投げさせていました。ここぞというときに、このボールを使うんだという意図が見えましたし、今日の投手の状態を把握しているところは炭谷選手のうまさ。その要求に応える戸郷投手も素晴らしかった。ほぼ満点です」

 バランスとしてはストレートが多かったが、初球からフォークで空振りを取ったり、2球続けてフォークという裏を欠く配球もあった。右打者にはスライダー、左打者にはフォーク……例えそれがボールになっても続けて要求し、しっかりと打者を打ち取ることができた。ビシエドにも1打席ではなく、1試合トータルで配球を組んでいた。バッテリーのうまさがあったという。

 抑えることができなかったのは、高橋周平内野手だった。1打席目はフォーク、2打席目はスライダーを合わせられ、2安打されていた。6回2死一、三塁で唯一タイミングが合っていた高橋に打席がまわったところで原監督は迷わずに戸郷を交代させた。点差は3-0だった。

「原監督が戸郷投手を思い切って変えたのもは監督らしいと思いました。スコアは3-0でしたが、ここで1点を取られたら流れは変わるし、この1点を抑えれば勝てるという思いもあったのだと思います。見事に成功しましたね」

 その1点が痛手にならぬよう。未然に大江で防ぎにいった。1点もやらないという感情が伝わってきた。巨人はこのピンチを後続の投手たちが抑えて脱出し、リードを保った。6回に中島の3ランで大きく中日を突き放し、勝利を手にした。

 戸郷、炭谷のバッテリーが試合を優位に進め、原監督が要所を抑えるタクトを振った。中島の3ランで突き放し、救援陣が主導権を渡さなかなった。それぞれの役割で力を発揮した巨人の強さを感じさせる一戦だった。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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