3連続完投勝利の中日大野雄と苦しむ巨人打線 専門家が解く“3度目”で仕掛けるべき策

中日・大野雄大【写真:荒川祐史】
中日・大野雄大【写真:荒川祐史】

巨人打線を封じ、完投勝利した大野に松本匡史氏「打者は打てない」と絶賛

■中日 4-1 巨人(17日・東京ドーム)

 中日が、エース左腕・大野雄大の好投で巨人打線を2安打1失点に抑え、4-1で今季初の3カード連続勝ち越しを決めた。大野は3試合連続の完投勝利。今季3勝目を挙げた。試合時間はわずか2時間22分。テンポのいい投球を続けた大野について、巨人で活躍した元楽天ヘッドコーチの野球評論家・松本匡史氏も「あれだけいいピッチングをされると打者は打てない。ピッチングが勝った」と絶賛した。

 力強い直球を武器に、大野が強気のピッチングを続けた。与えた失点は、2回に丸に許した右越えソロの1点だけ。3試合連続10奪三振の圧巻の投球だった。7回には1死から4番岡本に左翼線二塁打を許したが、後続2人を打ち取り、3点のリードを守り切った。チームでは2006年の佐藤充以来、14年ぶりとなる3試合連続完投。中8日と休養十分で、5安打1失点に抑えた前回7日の巨人戦に続き、またも9回を1人で投げ切った。

 松本氏はこう語る。

「今日は完璧なピッチングと言っていいほど、素晴らしかった。特に直球の力強さ、粘りのコントロール。四球を出さないように意識していた。直球の走りが良く、力で抑える投球。直球が力強いから、右打者の外に沈むツーシーム系の球も有効的だった。打者にとっては直球と思ったら変化する球。これだけいい投球をされると、打つのは簡単ではない。抑え込まれましたね」

 逆に巨人打線にとっては、今季ワーストとなるわずか2安打に抑え込まれたが、中日とは、2週間後の8月28日からの3連戦で再び対戦する。それだけに、次こそ攻略が求められる。そして松本氏は、打線の組み替え、そして足を絡めた仕掛けの大切さを口にした。

「打線は前回よりも悪かった。何か仕掛けるとか、工夫が欲しかった。ただ、この日の打線にはそういうタイプの打者がいない。いい投球をされると凡打の山になってしまう打線。吉川尚や若林が入っていれば、セーフティバントもできる。相手の嫌がることをやっていかないと、相手を乗せる形になってしまう。坂本もこれだけ調子が悪いのなら、セーフティをやる姿を見せてもよかったのではないかと思う。2週間後、再び対戦する時に巨人はどうするか。いくら首位とはいえ、今、打線は苦しい」。

 その中で、打線の状態が上がっていかないのであれば、大野のテンポを崩すような仕掛けが必要となってくる。

「大野にとっては自信になる完投勝利になった。前回も完投していたから、首脳陣が考えて間隔を中8日に開けたんだと思う。117球という球数は決して無理をして投げている訳ではないし、それがいい結果につながった。大野は形が出来てきて、投球にも幅があり、内容もいい。ピッチングスタイルが確立されてきている」。

 昨年、最優秀防御率のタイトルを獲得した大野の安定感は今年も健在。2週間後には今月3度目となる首位巨人との対戦が予想されるだけに、次回の登板にも注目が集まる。

【動画】被安打に2の完璧な投球を披露 中日・大野雄大がたまらない笑顔を見せた完投勝利の瞬間

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