木更津総合・篠木が学んだ「周りを見る力」 早大・早川らから続くエースの自覚
五島監督も篠木の投球に「本当に彼は凄い活躍をしてくれた」と脱帽
この日最大のピンチは8回。四球と安打で無死一、二塁とし、相手ベンチはチャンスに沸き立った。ここで9番・鈴木康平はバントの構えを見せる。
「一番自身のある球でいこう」
佐々木はそう振り返る。バッテリーは直球で押し、強めに転がった打球は篠木の正面へ。すかさず三塁に送球し、進塁を許さなかった。続く打者も直球で押し込み、セカンドへの併殺打。一塁にボールが到達しアウトになった瞬間、歓声の出どころは専大松戸から木更津総合へと一気に変わり、ナインは喜びを爆発させベンチへ帰ってきた。「あそこが最大の山場、篠木は冷静にプレーしてくれた」と佐々木。主将としての、篠木の成長が表れたプレーだった。
専大松戸打線を9回1失点に抑えた篠木に、五島監督も「本当に彼は凄い活躍をしてくれた」と脱帽。今大会は単なる独自大会ではなく、後輩が先輩の試合を見るという重要な大会だと位置づけてきた。もう1週間後には秋季大会の地区予選が始まる。偉大な先輩達の背中を見て成長した篠木、その先輩達の中に、間違いなく彼も加わった。また、その姿に憧れた後輩たちが大きく成長していくに違いない。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)