最下位転落ヤクルトに欠けていた意識 OB解説「絶対に打たれてはいけない」場面とは

ヤクルト・高橋奎二【写真:荒川祐史】
ヤクルト・高橋奎二【写真:荒川祐史】

ヤクルトで活躍した飯田哲也氏が高橋-中村の2回の攻めを解説

■巨人 12-5 ヤクルト(26日・神宮)

 ヤクルトは26日、巨人と神宮球場で戦い、5-12で敗れた。ヤクルト先発の高橋、巨人先発のディプランともに制球難で、序盤から失点を重ねた。ヤクルトの外野の名手として活躍した野球解説者の飯田哲也氏はヤクルトが2回に失点したシーンをポイントに挙げ「絶対に打たれてはいけない場面だった」と指摘。バッテリーに欠けていた意識が守っている野手、チームの士気に関わってくると解説した。

 試合は初回から動いていた。高橋がウィーラーに先制2ランを浴びると、その裏ディプランも山田哲にソロ、村上に2ランを浴びた。巨人・原監督は1回でディプランを下げ、大江、桜井と継投。ヤクルトは中継ぎの層を考え、2回以降も高橋がマウンドに立たせた。高橋は味方が逆転してくれた直後のイニングだったが、先頭の中島に右前安打、続く岸田に二塁打を浴び、無死二、三塁のピンチを招いた。

 そこから何とか踏ん張り、2死までたどりついたまでは良かった。飯田氏が指摘したのは2死一、三塁で迎えた1番・坂本の打席だった。「試合には絶対に打たれてはいけない場面があります。今日に関してはこのシーンでした。捕手の中村がもっと慎重に攻めるべきでした」と指摘した。

 坂本に対しての2球目、甘く高めに入った直球をセンターに運ばれる適時二塁打を許し、2人の走者が生還し、巨人は逆転。その後、ヤクルトは一度、勝ち越したが、6回にまた逆転され、試合を優位に進めることはできなかった。

 試合においてどの場面も大事だが、なぜ2回2死一、三塁の場面が「絶対に打たれてはいけない」場面だったのか。

「反対に言えば、巨人は無死二、三塁のチャンスだったのに、点が奪えず、2死までいってしまった。ここで点が取れなければ、嫌な流れになったでしょう。ヤクルトは2死まで取れたわけですから、ここで切らないといけない。取られたら、チーム全体としてショックというか、がっくりきてしまう。守っている選手だったら、そう思いますよ」

 坂本のタイムリーで意気消沈したヤクルトと、これで行けると息を吹き返した巨人の勢い。野球は流れのスポーツと言われるが、そういった一球の意識から変わってくることもある。高橋と中村のバッテリーに坂本に対して「もっと低めの意識を持つことや“絶対に打ち取るんだ”と必死になって抑えていくべきですし、そういう投球をしてほしかったですね」と解説した。

 5回に坂口の2ランで勝ち越したのだが、6回も1死三塁から重信に簡単に初球の高めのカーブを左前に運ばれ、同点とされ、その後、逆転。原監督の早めの一手も際立ったが、ヤクルトバッテリーの意識も勝敗を分けるポイントのひとつとなった試合だった。

(Full-Count編集部)

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