中日ドラ4郡司にある“名捕手”になれる素質 専門家が語る「古田のような捕手に…」
郡司が「バッターを見ていた」証は8回1死満塁の併殺にあった
その膝もとの球が布石となった。打者心理としてはその状況で追い込まれたら「アウトコースに対応するために良いバッターならおっつける意識になる」という。
「そこを利用していました。バッテリーは空振り三振を取りに行くならばアウトハイの直球。逆に当てて打たせるなら、アウトローの真っすぐです。少し高さは甘かったですが、アウトコースの低めにいったことで狙い通り、併殺になりました。郡司くんがバッターを見ている証です」
郡司が内角を続けたことで、岸田の頭には強く意識が残った。そうすると打者は外へなかなか踏み込んで打つことが難しい。そのため、ポイントが捕手側になる。そこで、ストレートが来ると内角、そして“おっつける”意識が邪魔をして対応に遅れてしまう。岸田に対しては福がしっかりと投げきれていたため、ピンチを脱することができたのだ。
打率が低迷しているため、課題はそこにもあるが、捕手としてさらに磨きをかけるとするとどんなところだろうか。
「あとは落ちるボールや奥行をもうすこし使えればと感じます。落としたり、抜いたりするともっとリードの幅は広がります。本当に打者をよく見ている。繰り返しになりますが、大学の時のような打撃ができれば、古田のような捕手になる要素はあります。今日の打撃を見ると、リードでいっぱいいっぱい、打席は頭が働いていないように見えました。阪神の矢野監督、谷繁のような名捕手になってほしいですね」
打撃だけでなく、まだまだ守備面や、盗塁阻止など課題は多く残るルーキー捕手だが、球界を代表する系譜を辿れる素材であることは間違いなさそうだ。
(Full-Count編集部)