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阪神・西勇のシュート攻め… 分析のプロが思い返した“古田VS清原”の名勝負

阪神の西勇輝投手は4日、本拠地・甲子園球場で行われた巨人戦に先発し、8回途中まで7安打9奪三振4失点。オリックス時代を含めて巨人戦初勝利となる、今季5勝目(3敗)を挙げた。威力のあるシュートを武器に巨人打線を翻弄した西勇の投球に、長年に渡って巨人の名スコアラーとして鳴らした三井康浩氏は、かつてG打線をきりきり舞いさせた、ある名投手の姿を思い出した。

かつて名勝負を繰り広げた清原和博氏(左)と古田敦也氏【写真:編集部、荒川祐史】
かつて名勝負を繰り広げた清原和博氏(左)と古田敦也氏【写真:編集部、荒川祐史】

元巨人のチーフスコアラー・三井康浩氏が分析

 阪神の西勇輝投手は4日、本拠地・甲子園球場で行われた巨人戦に先発し、8回途中まで7安打9奪三振4失点。オリックス時代を含めて巨人戦初勝利となる、今季5勝目(3敗)を挙げた。威力のあるシュートを武器に巨人打線を翻弄した西勇の投球に、長年に渡って巨人の名スコアラーとして鳴らした三井康浩氏は、かつてG打線をきりきり舞いさせた、ある名投手の姿を思い出した。

 西勇は得意のシュートで巨人の打者の懐を攻めまくり、6回までは1安打無失点と完璧だった。5点リードの7回に疲れがみえて2失点。8回にも2死二、三塁から、岡本に左前2点適時打を許して降板したが、チームは5-4で逃げ切り、エースの役目を果たした。

「そういえば昔、ヤクルトの川崎(憲次郎氏)にこういう風にしてシュートでやられたな、と思いながら見ていましたよ」と三井氏は感慨深げ。「西はプレートの最も一塁寄りを踏み、右打者の内角へ、より角度をつけてシュートを投げ込んでくる。川崎のシュートはもっと曲がりが大きかったけれど、西勇もこの日に限れば、コントロールも切れ味も抜群で、川崎と比べても遜色ありませんでした」と評する。

 川崎氏はかつてヤクルトのエース格として、1998年に最多勝と沢村賞を獲得するなど活躍した右腕。持ち味は切れ味鋭いシュートで、三井氏がスコアラーを務めていた当時の巨人打線は、何度も苦杯をなめさせられた。特に、清原和博氏のような右打者は、シュート、シュート、またシュートで徹底的に攻められた。「捕手の古田(敦也氏)が、清原の体に隠れるようにして構えていたほどだった」と三井氏は振り返る。

 当時の川崎氏も、西勇の場合も、相手チームが取るべき対策は基本的に同じだという。三井氏は「シュートを嫌がって手を出さないでいると、相手はかさにかかってシュートを連投してくる。私は川崎と対戦する時には、『ファウルになってもいいから、シュートを三塁線へ向けてバチンとたたいていこう』と伝えていました。投手心理でいえば、いい当たりをされると、1発の怖さがある内角には投げづらくなる。そこで外角に投げてくるスライダーなどを狙うのです」と説明する。

 この日の巨人打線でも、5回に打席に入った炭谷がカウント2-1から、シュートを打って三塁線への痛烈なファウルとし、続く外角低めのスライダーをとらえたが、いい当たりの右飛に終わった。

「巨人打線は全体的に、内角のシュートと外角球の両方に備えていたような、中途半端な印象を受けました。対策を徹底して臨まないと、攻略は難しい」と三井氏は見た。西勇が巨人戦初勝利を機に、巨人キラーとして君臨することになるのか。それともG打線が研究を重ね、次回対戦でリベンジを果たすか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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